ジャッキー・チェン マイ・スタント

Jackie Chan: My Stunts

Jackie Chan / Jackie Chan / 1998

★★★★★

感動的

 『ジャッキー・チェン マイ・スタント』というタイトルで、『アクション1』と『アクション2』の2巻のビデオが出ている。TV番組として作られたもので、各々45分の長さ。ジャッキー・チェンが自らのアクションとスタントの作り方を紹介するドキュメンタリー。いくつかの映画の製作秘話などもある。

 『WHO AM I?』の項で、ジャッキー・チェンの肉体とアクションの衰えを感じたと書いたが、このビデオで久しぶりに彼の若い頃のアクションを見て感動を新たにした。私は、ジャッキー・チェンはバスター・キートンとジーン・ケリーと並ぶ20世紀の最良の映画製作者の1人だと思っている。バスター・キートンはトーキーに殺され、ジーン・ケリーは60年代ミュージカルに殺され(「お勧め映画、第4回、ミュージカル映画篇」を参照)、ジャッキー・チェンは香港映画のニュー・ウェーブとかつて言われたこともあるツイ・ハークとかジョン・ウーなどに殺されたわけだが、21世紀以降に映画の歴史を振り返ったときには、結局はこの3人の映画の方が重要視されるだろう。いやぁ、『マトリックス』のカンフー・アクションを見たときには、『マイ・フェア・レディ』とか『ウェスト・サイド物語』にそっくりだなあと思ったわけです。凄くなく、むしろヌルいんだが、表面的な辻褄合わせがうまくて、大衆受けしても仕方がないなと思わせる。キアヌ・リーヴスとかローレンス・フィッシュバーンとかキャリー=アン・モスにアクションをやらせるのは、オードリー・ヘップバーンとかナタリー・ウッドとかを起用するのとまったく同じ精神。あの黒眼鏡なんか、『ウェスト・サイド物語』の不良少年グループと同じ意図。そうやって映画は堕落していく。ちなみに私は、リー・リンチェイの出演作品の中で良いのは『少林寺』と『少林寺2』だと思っています。

 ジャッキー・チェンが好きな人には、このビデオはお勧め。自分の映画作りについて語るジャッキーの、あやふやな英語による熱意のこもった話しぶりにヤラれること間違いなし。

2000/7/18

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