ゴージャス

玻璃樽(Gorgeous)

ヴィンセント・コク / ジャッキー・チェン,スー・チー,トニー・レオン,Bradley James Allan / 1999

★★★★

これはなかなか良い

 よく知らないが、『008(ゼロ・ゼロ・パー)皇帝ミッション』という監督作品のあるヴィンセント・コクの監督・脚本作品。当初私はこれが「ジャッキー・チェンの主演映画」だと思っていたが、これは大きな間違いだった。たしかにジャッキー・チェンは主役を演じ、アクション・シーンも盛り込まれているけれども、これはヴィンセント・コクという映画監督のまともな作品である。スタイルはまったく違うが、1980年代の根岸吉太郎とか相米慎ニみたいな「若手の台頭」の感触があるといった理解してもらえるだろうか。いろんな問題はあるにせよ、ジャッキー・チェンというビッグ・ネームをうまく利用して、変にアーティスティックな方向に行かない娯楽作品を作るという意思が感じられて好ましい。

 台湾人のスー・チーが、流れ着いたガラス瓶に入っていたメッセージを手がかりに香港に渡り、遣り手のビジネスマンのジャッキー・チェンと恋に落ちる。台湾と台湾人の描かれ方は、台湾人が見たら激怒するんじゃないかと心配だが、まあ興味深い。この映画を見るにあたっての最も大きな障害は、スー・チーがSMAPの香取慎吾に似ているということなんじゃないかと思う。可愛ければ可愛いほど気持ち悪い。これは作り手の側の責任ではぜんぜんないのだが、仕方がないことだ。なお、北京語と広東語のうちの少なくとも片方がわからないと面白くないギャグやシチュエーションが多い。私には残念ながらわからない。他にも英語と台湾語と日本語が出てくるインターナショナルな映画ではある。

 なお、ジャッキー・チェンのアクションの相手をするのは、ブラッドリー・ジェームズ・アランという名のオーストラリア人だが、この人は『ジャッキー・チェン マイ・スタント』に登場していた「ジャッキー組」のスタントマンなんではないかと思う。彼との絡みの部分は息が合っていて楽しい。これは、この映画が「アクション映画」ではなく、ジャッキー・チェンの演じるアクションが刺身のつまであるということから生じた副作用である。演じられるカンフー・アクションに、ストーリー上のどんな意味も持たせる必要がないため、かえって自由に演技をつけることができているのだと思われる。

2000/7/23

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