トゥルー・クライム

True Crime

Clint Eastwood / Clint Eastwood,Isaiah Washington,James Woods,Denis Leary / 1999

★★★

さすがにうまいんだが

 クリント・イーストウッドの監督・主演作品。原作はアンドリュー・クラヴァンの『真夜中の死線』である。イーストウッドはこのところヒットした小説の映画化を監督・主演するというパターンが続いているが、どの映画でも自分の実年齢を無視した無謀としかいいようのない役に挑戦し、しかもそのことが映画の障害になっている。この映画では、ロバート・レッドフォードの『モンタナの風に抱かれて』ほど悲惨な状態にはなっていなかったが、それでもやっぱり69歳のイーストウッドが、「女にもてる、4、5歳の娘を持つ、だらしない中年男」を演じるのには無理がある(でもこの映画でイーストウッドの娘役をやってるフランセスカ・ルース・イーストウッドは、彼とフランセス・フィッシャーの間の実の娘である。頭の痛い話だ。ちなみにフランセス・フィッシャーも出演している)。

 この問題と、原作がそもそも抱えていた根本的な問題点に目をつぶると、映画監督としてのイーストウッドはやはり天才だと思わせるシーンがいくらでも出てくる佳作ではある。とりわけ、編集長を演じるジェームズ・ウッズはすごく良く、彼につられて編集者のデニス・リアリー(『翼のない天使』の神父役。その他、『トーマス・クラウン・アフェア』『スモール・ソルジャーズ』『ウワサの真相/ワグ・ザ・ドッグ』『セカンド・インパクト』)までもが良く見えて、新聞社のシーンはいずれも成功している。もう1つ、死刑囚を演じるアイザイア・ワシントン(『アウト・オブ・サイト』)が良くて、刑務所のシーンもほとんど成功。どちらも原作を読んだときには、かっこよく映画化するのは不可能に思えたけれども、それを見事にこなしてしまう手腕には感服する。

 が、やっぱりイーストウッド本人がだめなので、彼に焦点が当たるシーンはどれもきつい。もったいないといえばもったいないが、こういう人だからしょうがないのか。でも最後のおもちゃ屋さんの店員をくどくシーンは、どう考えても孫、ひょっとしたら曽孫の年の女をくどこうとするエロ爺にしか見えなかったぞ。あれで清々しいエンディングを撮れたと思ってるんだろうな。臆面がないというか、芯までスターというかなんというか。

2000/8/6

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