シンプル・プラン

A Simple Plan

Sam Raimi / Bill Paxton,Bridget Fonda,Billy Bob Thornton / 1998

★★

まあそこそこか

 スコット・B・スミスの大ヒットしたミステリ小説の映画化。脚本も担当している。サム・ライミがシリアスな路線に転向したということで話題を呼んだが、映画作りの下手なやつはスタイルを変えても下手ということが実証されたというべきか。でもまあ、予想したほどは悪くなかった。

 墜落した飛行機の中に大金を見つけてしまったことから、ビル・パクストン(『マイティー・ジョー』)とその兄のビリー・ボブ・ソーントン(『パーフェクト・カップル』『スリング・ブレイド』『アルマゲドン』)を巡る人間関係が壊れていく。パクストンの妻にブリジット・フォンダ(『フォー・エヴァー・ライフ/旅立ちの朝』『Touchタッチ』)。

 ビル・パクストンは「シリアスな演技はちょっと慣れていないんだけど、頑張って表情を作りまーす」という感じ、ビリー・ボブ・ソーントンは「この気弱でちょっと異常な兄の役作り、しっかりやりました、見てください!」という感じ、ブリジット・フォンダは「直接にはかかわらないが、実は大きな影響を与えるというこの役に合った、存在感のない存在感を作り出すべく努力しまーす」という感じが、画面からひしひしと伝わってくる。これはしんどいよ。サム・ライミのホラー映画の出演者たちとそれほど変わらないレベルでの取り組みである。記号になっちゃってるんだな。似たところが少しありそうな『ファーゴ』のコーエン兄弟などと比べると、映画作りの下手さが明確にわかる。この映画の「主題」は、普通の人々の愚かな行動というところにあるんだが、みんな役作りに必死で、愚かな行動をしそうにない。特にビリー・ボブ・ソーントンは、どうしても「愚かな中年男」ではなく「愚かな中年男を演じているうまい役者」にしか見えないので、愚かな行動をとるのが不自然なんである。プロットが似ている『カイル・マクラクラン/ルート9』では、金を盗むカイル・マクラクランとウェイド・ウィリアムズがほんとに愚かに見えて、逆に痛々しくなっていた。その種の痛々しさを逆手に取ったコメディが『フリー・マネー』だった。

 『スウィート・ヒアアフター』の項で、「『アイス・ストーム』や『ファーゴ』などもそうだが、雪国を描いた映画に名作が多く、マイアミを舞台にした映画に駄作が多いように思えるのはなぜなんだろう」と書いたが、この映画は例外。

2000/8/23

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