ベイビー・トーキング

Baby Geniuses

Bob Clark / Kathleen Turner,Christopher Lloyd,Kim Cattrall,Peter MacNicol,Dom De Luise / 1998

★★★

ひどい映画なんだが

 IMDBで、今日現在2.2点という得点を獲得し、ワースト100の65位に入っている問題作。このリストは、映画のタイトルを見ているだけで恐ろしくなってくる代物だ。得点として投票できる最低点は1点なので、2.2点という点数はそうとう凄いのである。

 ボブ・クラークは『ポーキーズ』(1981)のシリーズを撮った人で、その前には『暗闇にベルが鳴る』(1974)とか『死体と遊ぶな子供たち』(1972)などが有名だろうか。『ポーキーズ』の後もちょくちょく作っているようだが、見ていない。

 赤ちゃんものである。しかも、その赤ちゃんがしゃべるという点では『ベイビー・トーク』(1989)のパクリなのだが、この映画の特筆すべきところは、そのしゃべる赤ちゃんが大勢出てくるということと、『ベイブ』、『ベイブ/都会へ行く』『ポーリー』のように、唇の動きをCGで処理することによって、本当に喋っているように見せかけているということだ。この2つの要素を除くと、たしかにひどいどうしようもない映画なんだが、私はもっとひどいものをいくらでも見たことがある。たぶんこの映画の評価が低くなるのは、観客に変な期待を持たせてしまっているからだと思う。

 その期待の原因の1つとなっているのが、キャスリーン・ターナー『スキャンダル』)とクリストファー・ロイド(『ブラボー火星人2000』『クライム・タイム』)という有名人2人を起用していることだろう。この2人のこの映画での存在感はドム・デルイーズよりも薄いといったら、どれほどひどいかがおわかりいただけるだろう。善人の夫婦として、ピーター・マクニコル(『ビーン』、また、『アリーmyラブ』にも)とキム・キャトラルが出ており、ピーター・マクニコルがいい役者に見えてしまうという恐ろしい事態である。キム・キャトラルについていえば、「ふつう」の人を演じている彼女を久しぶりに見られて嬉しかったとは言えなくもないが、決して見せ場があるわけではない。

 話は本当につまらない。

 しかしそれなのに、この映画を私はそこそこ楽しんでしまったのである。それはひとえに、赤ちゃんたちが良いという点にある。「ファミリーもの」を期待して見る人にとっては決して好まれるタイプの「良さ」ではないのだが、クリストファー・ロイドの地下の研究施設に閉じ込められている子供たちと、善人夫婦の子供2人の出てくる場面は、いままで見たことがないものを見ているという感じを与えてくれる。冷静に考えればこれは幼児虐待以外のなにものでもないのだが、赤ん坊を撮り、その中から使えそうなショットを選んで唇の動きをCG合成し、編集するというそのプロセス自体は非常にうまく行っている。それ以外の部分で恐ろしいほどの手抜きをしているのが、アンバランスに感じられるぐらいだ。

2000/9/26

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