乱気流/グランド・コントロール

Ground Control

Richard Howard / Kiefer Sutherland,Kelly McGillis,Robert Sean Leonard,Kristy Swanson,Bruce McGill / 1998

★★★★

なかなか良くできたサスペンス

 『乱気流/タービュランス』"Turbulence" (1997)にあやかって付けられた邦題だろうが、まったく関係のない映画。関係がないばかりか、この映画では「乱気流」自体が登場しないんである。たしかに航空機事故は起こるが、機器の故障が原因によるもの。まったく、こういうことをやっていると罰が下るぞ。副題の「グランド・コントロール」が示すように、これは航空管制官の物語(もちろん『グラウンド・コントロール』にしてもらいたかったが)。

 監督のリチャード・ハワードは、どうやら撮影監督として長いキャリアを持つリック・ウェイトと同一人物のようだ。監督としては処女作だが、さすがに非常に安定した映画作りで、撮影監督出身の人がやりそうな凝ったことをいろいろとやっている。物語のほとんどがコントロール・ルームで進行するというかなり過激な発想の映画を、これだけのものにまとめられるのは、やっぱり凄いことなんではなかろうか。

 主人公を演じるのは、このところめざましい躍進ぶりを見せているキーファー・サザーランド(『失踪』『ダークシティ』)。この人がこんなに良くなるとは思ってもみなかった。この映画でも、脚本のちょっとばかしの弱点を埋めるだけの活躍をしている。管制局のヘッドを演じるのがケリー・マクギリス(『犯罪心理捜査官2』『アット・ファースト・サイト/あなたが見えなくても』、若い同僚を演じるのがロバート・ショーン・レナード(『KILLER/第一級殺人』『フォー・エヴァー・ライフ/旅立ちの朝』『スタンドオフ』、新人の女性を演じるのがクリスティ・スワンソン。これらの人々に共通するのは、下手をしたら恐ろしく陳腐なものになりかねないステレオタイプを、そうならないぎりぎりの線でまっとうに演じているということだ。特にロバート・ショーン・レナードの貢献は大きいと思う。なお、友人の管制官を演じるブルース・マッギル(『キャメロット・ガーデンの少女』)は非常に良く、『タイムコップ』でのほとんど同一といってもいいような役柄を思い出した。『タイムコップ』は本当につまらない映画だったが、ブルース・マッギルだけが不自然なまでに良かった。

 決して完璧な映画ではなく、クリシェもステレオタイプも多い映画なのだが、緊張感が途切れない演出と演技、そして何よりも見た目にあまり魅力的とは言いがたいコントロール・ルームの照明効果などのために、見るに値する作品となっていた。やはりロバート・ショーン・レナードが出ていた『スタンドオフ』と似た感じの掘り出し物。

2000/9/26

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