ノイズ

The Astronaut's Wife

Rand Ravich / Johnny Depp,Charlize Theron,Joe Morton,Clea DuVall / 1999

★★

深刻にやりすぎ

 監督のランド・ラヴィッチは『ザ・メイカー』の脚本の人。これは監督第1作。『ザ・メイカー』の脚本ということからわかるように、やけに深刻ぶった映画。

 宇宙飛行士のジョニー・デップ(『スリーピー・ホロウ』)が宇宙空間で「空白の2分間」を体験して帰ってくる。その妻のシャリーズ・セロン(『マイティー・ジョー』)、『Mr.ダマー2 1/2』『ディアボロス/悪魔の扉』)が、夫が以前の夫と違うのではないかという思いにかられ、おかしくなっていく。やがて妊娠して『ローズマリーの赤ちゃん』路線に進んでいくが、人物配置は違うものの、シャリーズ・セロンにとっては『ディアボロス/悪魔の扉』とそっくりの、夫の転勤についてニューヨークに出てきた田舎娘の孤独と不安の物語である。

 シリアスな演技をさせてシリアスな映画を作るぞという意気込みはいいんだが、シリアスな演技とは深刻な顔をすることであるという思い違いがあるのが根底からの間違い。ジョニー・デップに心から楽しそうな顔をさせよとは言わないけれども、この映画のシャリーズ・セロンはちょっと行き過ぎじゃないだろうか。『ディアボロス/悪魔の扉』とは違って、夫がおかしくなる前から、この妻は精神的におかしいのである。このため、なぜジョニー・デップはさっさと離婚して、他の女に子供を産ませないのか、もしかしたら厳格なモノガミストなのかこの人は、という根本的な疑問が生じてくる。

 おかしくなるNASAの局員にジョー・モートン(『真実の囁き』。シャリーズ・セロンの妹役にクレア・デュヴァル(『パラサイト』)。どちらも見せ場が作れたはずだが、全体的な構成の難のおかげで、中途半端になっている。不覚ながら見ているときは気づかなかったが、サマンサ・エッガー(医者)とブレア・グラウン(相棒の宇宙飛行士の奥さん)が出演している。うーむ、渋い配役ではあるんだがねえ。

2000/10/4

IMDBの該当ページへ

検索ページへ 目次へ 前へ 次へ