イン ドリームズ/殺意の森

In Dreams

Neil Jordan / Annette Bening,Aidan Quinn,Robert Downey Jr.,Stephen Rea,Paul Guilfoyle / 1998

★★★★

ちょっと破綻しているが美しい

 ニール・ジョーダン(『ブッチャー・ボーイ』『マイケル・コリンズ』)監督のサイコスリラー。バリ・ウッドの原作を映画化したもの。バリ・ウッドは『戦慄の絆』の原作で有名だが、それ以外にも傑作をいくつも書いている作家である。

 アネット・ベニング(『グリフターズ/詐欺師たち』『アメリカン・ビューティー』『真実の瞬間(とき)』『めぐり逢い』)がサイキックで、夢の中で殺人者ロバート・ダウニーJr(『マンハッタン恋愛事情』『愛が微笑む時』『ホーム・フォー・ザ・ホリデイ』『相続人』『追跡者』)と「交感」してしまう。アネット・ベニングの夫にエイダン・クイン(『マイケル・コリンズ』、『プラクティカル・マジック』)、精神科医にスティーヴン・レイ(『マイケル・コリンズ』、『ブッチャー・ボーイ』)。

 とにかくアネット・ベニングの体当たり演技が嬉しい。彼女には珍しい汚い言葉遣いとハイテンションは、『アメリカン・ビューティー』でも感じられたキャリア転回の意図の表れなのだろう。この映画で特にぞくっとしたのは、精神病院に入れられて叫ぶときの「低い声」。暴れ回る体の動きとともにセクシーだ。という見解があまり広く支持されないだろうことはわかっているんだが。

 でまあ、この映画は根本的に破綻しているのにもかかわらず、このアネット・ベニングとロバート・ダウニーJrのおかげで、ぎりぎりのところで支えられている。相変わらず映像は美しいのだけれども、脚本にそれを支えるだけのリアリティがなく、美しい映像から頻出する散漫な映画になりそうなところを、この2人が救っているという感じである。特に、ロバート・ダウニーJrがアネット・ベニングの前に姿を現してからのシーンは物凄く危険なのだけれども、それを見応えのあるものにしてしまったロバート・ダウニーJrは凄い。この2人のテンションの高さのせいで、「渋い抑えた演技」が得意なエイダン・クインとスティーヴン・レイが逆に魅力をなくしているわけで、これは滅多に見られない現象だ。

 夜のショットが多く、いずれも一級品。

2000/10/4

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