ピースメーカー

The Peacemaker

Mimi Leder / George Clooney,Nicole Kidman / 1997

★★

予想以上に良い出来

 『ディープ・インパクト』のミミ・レダーの本編1作目であるから、そうとうひどいものを予想していたのだが、思ったよりも良かった。核テロリストもの。

 予告編の印象から、軍人のジョージ・クルーニー(『アウト・オブ・サイト』『バットマン&ロビン/Mr.フリーズの逆襲』『素晴らしき日』)と非軍人のニコール・キッドマン(『プラクティカル・マジック』)の間の緊張関係がサスペンスを醸成するのかと思っていたら、そういうことはほとんどなく、単にニコール・キッドマンがジョージ・クルーニーに引きずられて野蛮になるだけだった。両者とも相変わらず薄っぺらい。

 この映画の良いところは、それ以外の人々にほんもののヨーロッパ人を多く起用していることだ。実際の国籍と役柄上の国籍には微妙に食い違いがあるケースもあるけれども、アメリカ人の役者に「ロシア訛りの英語」とか「中欧訛りの英語」などを喋らせるという哀しいことをしていないところに好感が持てるし、この人たちがこの映画にアメリカ映画にない重量感をもたらしていたのは間違いない。そういうのが欲しければヨーロッパ映画を見ればいい、と言われれば、ごもっともと答えるしかないが、ロシア人テロリストたちが仲間うちの会話でもロシア語訛りの英語を喋っている映画(『エアフォース・ワン』)、ドイツ占領下のポーランドで、ポーランド人たちがポーランド語訛りの英語を喋り、ドイツ人たちがドイツ語訛りの英語を喋るという映画(『聖なる嘘つき/その名はジェイコブ』)などが平然と作られるこの世の中で、この映画は珍しいまでの筋の通し方をしていたと言える。

2000/10/10

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