インビジブル

Hollow Man

Paul Verhoeven / Kevin Bacon,Elisabeth Shue,Josh Brolin / 2000

★★★

ちょっと中途半端か

 ポール・ヴァーホーヴェンによる透明人間もの。

 悪い科学者のケヴィン・ベーコン(『ウィズ・ユー』『ワイルドシングス』)が透明人間になってする悪巧みのスケールがものすごく小さい、というのが今回の趣向。後半に入り、同僚科学者のエリザベス・シュー(『愛が微笑む時』『パルメット』)とジョッシュ・ブローリン(『マンハッタン花物語』『ナイトウォッチ』『ミミック』『モッド・スクワッド』)との間で戦いが繰り広げられるが、透明人間であるということをほとんど活かしていない展開で、単なるホラー映画。これもまたヴァーホーヴェン流の趣向なのかもしれないが、不満が残った。せっかく面白い設定なのに、もったいなさすぎる。

 大勢と異なる見解かもしれないが、この映画でヴァーホーヴェンは手加減をしているように思った。ハリウッド映画の制約に対する譲歩が、前作の『スターシップ・トゥルーパーズ』(1997)とその前の『ショーガール』(1995)よりも強いように感じたのである。どちらかといえば『氷の微笑』(1992)と『トータル・リコール』(1990)に似た感触で、悪趣味路線としては一歩後退のような気がする。まあ十分に下品ではあるんだけど、どこか突き詰めていないような。悪いことをするケヴィン・ベーコンが透明なので、彼の演技で嫌らしさを出せないという理由があるのかもしれない。あと、エリザベス・シューの扱いが、ヴァーホーヴェンにしてはあまりにもていねいで、もうちょっといじめてくれるのかと期待していたのが裏切られた。

2000/11/7

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