ストーリー・オブ・ラブ

Story Of Us

Rob Reiner / Bruce Willis,Michelle Pfeiffer,Rob Reiner / 1999

これはやばい

 ロブ・ライナー監督作品。『ゴースト・オブ・ミシシッピ』の次の作品ということになるんだが、いやあほんとうにロブ・ライナーはやばくなっている。ブルース・ウィリスとミシェル・ファイファーという完全にだめになりつつある役者を起用したことがまず間違いだったということだろうか。それとも、このステレオタイプしか演じられなくなった2人の役者のステレオタイプをそのまま使うことで勝算があると思ったのか。

 倦怠期になった夫婦が仲直りする物語。映画の脚本上、またこの2人の役者の資質上、次のような構造になることが必然的である。すなわち、ブルース・ウィリスはちょっとちゃらんぽらんではあるが、根本的なところで善良で、妻が正気になるのを辛抱強く待っている。ミシェル・ファイファーは、愛すべき女性なんだが、ちょっと自分に対して厳しすぎるところがあって、それを他人にヒステリックな形で転嫁してしまう。この2人は、このタイプの映画でそういう役しか演じてこなかったし、すでにスターになってしまった2人はいまさらこの路線を修正できない。その結果、この映画は、妻が改心して仲直りするという事態をハッピー・エンディングとして設定せざるをえなくなるのである。これは、人によってはきわめて反動的なストーリーに見えることだろう。

 ちなみにロブ・ライナーのフィルモグラフィー。1999年の本作、1996年の『ゴースト・オブ・ミシシッピ』(大失敗作)、1995年の『アメリカン・プレジデント』(これは良い)、1994年の『ノース/ちいさな旅人』(愛すべき作品だが失敗作)、1992年の『ア・フュー・グッドメン』(失敗作)、1990年の『ミザリー』(これは良いが、キャシー・ベイツとジェームズ・カーンの功績大)、1989年の『恋人たちの予感』(私は好きではないが、まあ認めざるをえない)、1987年の『プリンセス・ブライド・ストーリー』(これは傑作)、1986年の『スタンド・バイ・ミー』(あまり好きではないが、認めざるをえない)、1985年の『シュア・シング』(良い)、そして1984年の『スパイナル・タップ』(傑作)。

 こうして見ると、明らかに1990年代に入ってからはパワーが落ちている。特に最近の2作の失敗の仕方は、最悪の映画を作らない職人という以前のイメージからは考えられない悲惨なものだ。残念ながら、ロブ・ライナーはもう終わってしまった可能性が高い。

DVDメモ。日本版

予告編、メイキング、監督による音声解説トラック。

 音声解説トラックは意味なさそうなので聴かなかった。

2000/11/15

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