めぐり逢い

Love Affair

Glenn Gordon Caron / Warren Beatty,Annette Bening,Katharine Hepburn,Pierce Brosnan,Kate Capshaw,Paul Mazursky,Brenda Vaccaro / 1994

★★

冒涜的、冒涜的、冒涜的

 レオ・マッケリーの1939年の『邂逅(めぐりあい)』"Love Affair"と1957年の『めぐり逢い』"An Affair to Remember"のリメイク。今回は邦題が『めぐり逢い』で原題が"Love Affair"だ。ウォーレン・ビーティが製作なんで、ビーティとアネット・ベニングの夫妻によるこの夫妻のための映画というわけなんだろう。

 この映画の特性を一言で言えば「冒涜」ということになる。成功が約束されているはずのストーリーを使ってよくもここまで失敗したもんだと驚くほかない。脚色がまずく(しかし恐ろしいことに脚本にビーティとともにロバート・タウンがクレジットされているのを発見してしまった。げげっ、最近の彼の脚本の仕事には『ミッション・インポッシブル』、『ザ・ファーム』、『デイズ・オブ・サンダー』などがある。頭腐ったのか)、その映像化もまずかったということなんだが。

 それにしても、ビーティの恋人役にケイト・キャプショー、叔母役にキャサリン・ヘップバーン、ベニングの恋人役にピアース・ブロスナンと、かなりいい感じの役者を配置し、しかも音楽がエンリオ・モリコーネだったりして(キャサリン・ヘップバーンの家で、ピアノに合わせてアネット・ベニングがハミングするところはかなりやられた)、万全の体制としかいいようがないのに、ビーティがぜんぜんだめ。アネット・ベニングの美しさがすべて無駄に使われているという感じ。離婚してほしい。

 しかし、この映画を見ていて気づかされたことがある。それは、アネット・ベニングが現代のデボラ・カーとでも言うべき存在だということだ。きれいな立ち姿と歩き方。コンザーバティブな服装が似合い、きれいなドレスを着るととても上品に美しい。私はとりたててデボラ・カーという人は好きではなかったのだが、アネット・ベニングを通して彼女を再評価できそうな気がする。つまり彼女は同時代的にはこんな感じの存在だったんじゃないかと思ったのである。もちろん、ケーリー・グラントがいかに貴重な人だったのかということも思った。

 まああれやこれやで、実に複雑な想いを生じさせる映画ではあった。

1999/10/16

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