遠い空の向こうに

October Sky

Joe Johnston / Jake Gyllenhaal,Chris Cooper,Laura Dern / 1999

★★

これは困った

 ジョー・ジョンストン監督。この人には『ジュマンジ』(1995)、『ロケッティア』(1991)、『ミクロキッズ』(1989)などの作品があるが、いずれも発想がよく、どこか抜けているのだが基本的に愛すべき映画である。で、この映画は「感動の大作」ということになっているらしいんだが、どうも乗れなかった。

 私が乗れなかった原因は、そもそもこの原作のストーリーにある。原作はNASAの技術者、ホーマー・H・ヒッカムJr.という人の自叙伝(未読)。え〜、この映画を見て感動した人は、ちょっと冷静になって考えてみてもらいたい。この映画が語っているストーリーは、「豪華客船に数百人あるいは数千人が乗っていたが、前方に氷山があって衝突するのは確実、船から脱出する手段はほとんどないが、かろうじて4人の少年が脱出できました」というタイプのものである。他の人はみんな死んだのだが、そこのところは描いていない。頑張って脱出できましたね、良かったですね、という風に感動するというパターンはありえるとは思うのだが、どうも私はそういう感動のしかたができず、最初から最後まで違和感を感じていた。この映画は、『プライベート・ライアン』などに代表される、1990年代のアメリカ正当化映画である。この政治的なニュアンスははっきり押さえておく必要があると思う。「奨学金」に関しては、『フープ・ドリームス』(1994)というドキュメンタリーを見れば、この映画の欺瞞がどこにあるかが明確にわかるだろう。

 父親役にクリス・クーパー。この映画で唯一かっこいい人。残念なことに、この映画では主演格であるはずの少年たちがうまく機能していないように思う。主人公のジェイク・ギレンホールは父親に対するときにのみ映える。

DVDメモ。日本版。

メイキング。予告編。

2000/11/26

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