ザ・ハッカー

Takedown

Joe Chappelle / Skeet Ulrich,Tom Berenger,Russell Wong,Angela Featherstone / 1999

★★

良くないけど、不思議と気になる

 監督のジョー・チャペルはいくつかホラー映画を撮っている人。本作は、有名なハッカーとして知られたケヴィン・ミトニックを追い詰めた男として知られる下村努の原作"Takedown"(『テイクダウン』として翻訳出版された)の映画化である。

 ところが、下村努がエグゼクティブ・プロデューサーとして名を連ねているのにもかかわらず、この映画は原作とずいぶん違う印象を与える。そもそもこの映画は、ケヴィン・ミトニックを演じるスキート・ウールリッチが主演格で、下村努を演じるラッセル・ウォンはあくまでも脇役。焦点もアメリカ国内を逃げ回るスキート・ウールリッチの苦悩に当てられており、ラッセル・ウォンはどちらかといえば周りを顧みない嫌な奴である。原作の『テイクダウン』は、出版当時、自意識過剰の男が書いたアンフェアな本だという批判があったぐらいにミトニックのことをボロボロにけなし、自画自賛に溢れたノンフィクションだったのだが、この映画は正反対のベクトルを向いている。まことに理解に苦しむ話だ。

 もし、下村努が積極的にこのような映画にしたがった、または少なくとも諒承したのだとしたら、奥が深い奴である。

 映画の中のコンピュータ技術に関連する部分は、現実を無視したバカバカしい脚色が加えられていて興醒め。うっとうしい映像と編集が多くてうんざりするが、スキート・ウールリッチはときとして魅力的だ。ラッセル・ウォンは大根だが、それ以前にコンピュータの専門家という感じがまったくしない。彼のガールフレンド役にアンジェラ・フェザーストーン(『ウェディング・シンガー』)でアダム・サンドラーを捨てた女)。可哀想な役だが(『ノイズ』のシャリーズ・セロンを思い出した)、今後に期待。

DVDメモ。日本版。

予告編。

2000/11/30

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