グレイスランド

Finding Graceland

David Winkler / Johnathon Schaech,Harvey Keitel,Bridget Fonda,Gretchen Mol / 1998

★★★★

これは掘り出し物

 監督のデヴィッド・ウィンクラーはなんとアーウィン・ウィンクラーの息子らしい。映画監督としては父親よりもはるかにまともな人であることが想像される佳作。

 ボロボロのキャデラック・コンヴァーティブルに乗ったジョナサン・シェック(『キルトに綴る愛』『目撃者』)が、ふとしたことからメンフィスに行きたいという自称エルヴィス・プレスリーのハーヴェイ・カイテルを車に乗せると、不思議なことがいろいろと起こるというファンタジー。マリリン・モンローの物真似芸人にブリジット・フォンダ。ジョナサン・シェックの妻の役で、グレッチェン・モル(『フューネラル』『13F』『ラウンダーズ』)がわずかな時間ながら出演している。

 グレッチェン・モルの出番は、彼女目当てで見たら腹を立てかねないぐらいに短いが、ジョナサン・シェックとハーヴェイ・カイテルとブリジット・フォンダが予想外に良かった。ぎごちない部分も散見されるが、基本的にテキサスからテネシーに向かうドライブの光景ののんびりした感覚がうまく活きているロード・ムービーである。凄いのは、途中で立ち寄ったカジノの物真似芸人ショーで、マリリン・モンローのブリジット・フォンダと、エルヴィス・プレスリーのハーヴェイ・カイテルが、それぞれまるごと1曲分のステージを演じてそれに説得力を持たせていることだ。この映像的迫力のクライマックスが映画の中盤後半に置かれており、そこからエンディングに向けてゆっくりとボルテージが下がっていくと同時に、シナリオ上のテンションが高くなるというこの構成は意図的なものだろうと思われる。これはそういう計算をしている映画なのだが、そんな計算も2人のステージに説得力がないとなんにもならない。この映画はこれに概ね成功しており、それだけでも賞讃に値すると思う。なお、最後の最後になって挿入されるグレッチェン・モルのショットの効果は非常に高い。

 ジョナサン・シェックとハーヴェイ・カイテルの絡みがもう少し考えられていれば、大傑作となっていただろう。

DVDメモ。日本版。

予告編。

2000/11/30

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