恋する人魚たち

Mermaids

Richard Benjamin / Cher,Bob Hoskins,Winona Ryder,Christina Ricci / 1990

★★★★

巧妙に作られている

 監督のリチャード・ベンジャミンは俳優出身の人。1980年代から監督をしており、続けざまに佳作を何本も作った。本作はウィノナ・ライダーの落ち穂拾いの積もりで見たのだが、非常によくできている映画だった。

 シェールが、ウィノナ・ライダーとクリスティーナ・リッチの2人の娘を育てながら引っ越しを繰り返すシングル・マザーの役を演じている。そして、ある町でシェールと付き合うことになる男をボブ・ホスキンスが演じている。リチャード・ベンジャミンという人には、役者の良い面を最大限に引き出す人という印象があるのだが、この映画も例外ではなく、この4人の俳優のそれぞれベストに近い姿が見られるといってよい。

 クリスティーナ・リッチはこれが実質的なデビュー作で、当時10歳。ハリウッド的なステレオタイプの子役として完璧であるだけでなく、役者の色気を醸し出すすべをすでに知っているような怪しげな雰囲気が漂う。見ていて気持ちがわるいほど。19歳のウィノナ・ライダーは15歳の少女の役を演じている。最初のうちは型にはまりすぎという感じがしたが、それはダマシで、後の方になるにつれて徐々に思春期の不安定さにリアリティが感じられてくる。ボブ・ホスキンスは優しい中年男を、シェールは無骨な中年女を演じてそれぞれ完璧。

 前半までは出来過ぎという感じがするのだが、そうやってこつこつと気づきあげたステレオタイプが、後半でのドラマの展開に強烈に効いてくるという映画の王道というべき作り。

DVDメモ。日本版。

予告編。

2000/12/3

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