ラスト・リミッツ 栄光なきアスリート

Without Limits

Robert Towne / Billy Crudup,Donald Sutherland,Monica Potter / 1998

★★★★

なんとも懐かしい感じのする堅実な映画

 なんとロバート・タウン。『マイ・ライバル』(1982)、『テキーラ・サンライズ』(1988)に続く3作目の監督作品ということになる。ロバート・タウンは1990年代に入ってトム・クルーズの主演映画の脚本を多く手がけているが、本作はトム・クルーズがプロデューサーに名を連ねており、ある種、クルーズからタウンへの「ご褒美」だったのかもしれない。

 本作は、ミュンヘン・オリンピックに出場した中距離走の陸上選手、スティーヴ・プリフォンティーンの伝記映画である。たまたま同じ頃に『プリフォンテーン』"Prefontaine"(1997)というタイトルの、同じ人を扱った伝記映画が作られている。

 『マイ・ライバル』は、ランナーを扱った映画として、公開当時は非常に革命的な印象があったという記憶がある。一方、この『ラスト・リミッツ』は1990年代に作られたとは思えないような、どちらかといえばこの映画の舞台となっている1970年代初頭にリアルタイムで作られたかのような色調と演出を持った堅実な映画になっている。派手なところはまったくなく、泣かせる場面もほどほどで、プリフォンティーンの生涯を淡々と描いている。

 プリフォンティーンを演じるのはビリー・クラダップ。いい人を見つけたものだ。コーチを演じるドナルド・サザーランドが非常に良い。このところ、彼が良い映画を続けて見ている気がする。恋人を演じるのはモニカ・ポッター。出番は少ないが美しく撮ってもらっている。

2000/12/3

IMDBの該当ページへ

検索ページへ 目次へ 前へ 次へ