狂っちゃいないぜ

Pushing Tin

Mike Newell / John Cusack,Billy Bob Thornton,Cate Blanchett,Angelina Jolie / 1999

★★

不満が残るが

 1959年に『狂っちゃいねえぜ』"Beat Girl"というイギリス映画があるが、こちらは『狂っちゃいないぜ』。監督のマイク・ニューウェルは初期に『ピラミッド』(1980)を撮った人。最近では『フォー・ウェディング』(1994)が有名か。

 ジョン・キューザックとビリー・ボブ・ソーントンが航空管制官。『乱気流/グランド・コントロール』ほどシリアスなドラマではないが、いちおう航空管制官の職場を舞台にしたサスペンスがクライマックスに置かれている。本筋は、ビリー・ボブ・ソーントンとジョン・キューザックの間の男性ホルモン過多の競争関係。ジョン・キューザックの妻がケイト・ブランシェット、ビリー・ボブ・ソーントンの妻がアンジェリーナ・ジョリーで、競争は互いの妻を寝取るところにまで発展する。この映画の女性たちはドラマの主役ではなく、この点での面白みがまったくないのが致命的。単なるトロフィーにしかなっていないのが哀しい。

 ビリー・ボブ・ソーントンがかっこいい男の役を演じているが、説得力があるかどうかは難しいところだ。私には単なるサイコパスに見えた。しかし結末までの流れを見るとどうやらそういうわけではないらしく、結果としてずいぶんと甘ったるいストーリーとなってしまった。上で述べた女性たちの扱いと、このビリー・ボブ・ソーントンの性格設定がまともだったなら、もう少し見られる映画になっていただろう。ジョン・キューザックはそれなりに頑張っている。

2000/12/10

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