X―ファイル ザ・ムービー

X Files,The

Rob Bowman / David Duchovny,Gillian Anderson,Martin Landau,Armin Mueller-Stahl / 1998

★★

やはり力不足か

 同タイトルのTVシリーズの映画化。監督のロブ・ボウマンは、このシリーズのエピソードを多数撮っている人だが、劇場映画も1本だけ作っているようだ。

 やはりTVシリーズを映画にした無理さが祟っているという感じ。広い画面の中で、人物がTVの小さいフレームを期待しているかのように動かずに立っているという印象を与える場面がやたらに多い。

 私はこのTVシリーズは、エピソード数回分を見ただけであまりよく知らないのだが、どの時期のどのエピソードを見ても同じことをやっていることに驚きを感じる。いい加減この人たちは、特に主人公のFBIエージェント2人は、「超常的な現象に出会っても驚かない」、「政府のカバーアップがあっても愕然としない」という習性を身につけることができないのだろうか。本作も同じ根本的な問題を抱えている。デヴィッド・ドゥカヴニーとジリアン・アンダーソンが、5シーズンの間、毎週毎週、異常な体験をしておきながら、今回の新たな異常体験に驚いたり動揺したり疑ったりしていることこそが異常に思える。

 もちろん、それでも物語が進んでいくこと、政府機関の振る舞いに疑念を抱きながらも政府職員として勤務しつづけることなどに、現代アメリカの世相に対する何かしらの批判とか含意があるんだということはわかるんだけれども、この1本の映画にはそのようなバックグラウンドを支えきるだけの力も仕掛けもなかったという気がする。その結果、自己完結的なパロディみたいになってしまった。もちろんTVシリーズそのものがパロディであるのかもしれないのだが。

DVDメモ。日本版

予告編、メイキング、監督による音声解説トラック。

 解説トラックは聴かなかった。

2000/12/24

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