バーティカル・リミット

Vertical Limit,The

Martin Campbell / Chris O'Donnell,Bill Paxton,Robin Tunney,Scott Glenn,Izabella Scorupco,Ben Mendelsohn / 2000

★★

特撮は素晴らしいが

 監督のマーティン・キャンベルは『ゴールデン・アイ』(1995)などの人。本作はK2を舞台にした山岳映画。

 特撮技術の進歩のせいで、ちょっと前ならば考えられもしなかった凄いシーンが実現されている。その凄さと脚本のひどさのアンバランスさは『パーフェクト・ストーム』級だった。登山事故のノンフィクションを読んでいると、人は高所ではとんでもなく愚かな判断をして事故を起こすことがよくわかる。ところがこの映画の最もひどい判断ミスは、ベース・キャンプで下されるものである。雪山にニトログリセリンをあんなにたっぷりと持っていくバカがどこにいるか、ということだ。そのバカさ加減はクリス・オドネルにちょうど似合っているとも言えるのだが。

 クリス・オドネル、スコット・グレン、ビル・パクストン、ロビン・タネイなどがバカバカしい脚本の前になすすべもなく降伏している中で、看護婦役のイザベラ・スコルプコが強い印象を残した。この人は『ゴールデン・アイ』にも出ており(ロシアのコンピュータ技術者)、マーティン・キャンベルのお気に入りなのだろう。ポーランド出身、スウェーデン育ちだが、この映画ではフランス系カナダ人の役。この映画は彼女のために作られているといっても過言ではない美味しい役で、ストーリー内のいくつかのドラマから意図的に逃がしてあげているんじゃないかと邪推したくなる。その他、スコットランド人の登山家兄弟の弟としてベン・メンデルスゾーンが出ている。

 まあこの映画は仕方ないとして、山岳映画の今後に十分期待できる内容だった。

 なお、K2における登山事故については読書メモの『K2 嵐の夏』が面白い。最近の登山映画では、IMAXのドキュメンタリー映画『エヴェレスト』が素晴らしかった。

2001/1/1

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