チャーリーズ・エンジェル

Charlie's Angels

McG / Cameron Diaz,Drew Barrymore,Lucy Liu,Bill Murray,Crispin Glover,Kelly Lynch,Sam Rockwell,Tim Curry / 2000

★★★★

意味無しバカ映画

 監督のMcGさんは「マックジー」と読むらしい。本名はJoseph McGinty Mitchell。1970年代のTVシリーズの映画化。

 とんでもないものを見てしまったと思ったが、2日続けて映画館に通ってみるとさすがに飽きが来た。まあ少なくとも1回は見る価値のあるバカ映画。とにかくこの映画を支えているのはキャメロン・ディアスの踊りだ。とにかくあれらをOKにするために全力でかかってきているという感があり、ツボを押さえたクレバーな戦略と言わざるをえない。

 エンジェルたちは、ドリュー・バリモア(プロデューサーであり、実質的に彼女の企画作品だと思われる)、キャメロン・ディアス、ルーシー・リュー(『ザ・エージェント』、『トゥルー・クライム』(おもちゃ屋店員)、『ペイバック』(謎の刺客)、そして『アリーmyラブ』)の3人。どう考えてもドリュー・バリモアとルーシー・リューには少し問題があるが、キャメロン・ディアスを先頭に立てた一点突破攻撃が成功し、観客は映画のほとんどの部分を判断力を失ったまま見ることになる。映画の魔術とはこのことである。

 情熱に水を差すようなことは言いたくないのだが、キャメロン・ディアスはサル顔だ。10年か20年後には、「なぜファラ・フォーセットのライオンのたてがみのような髪がセクシーだったんだろうか?」というのと同じような「気づき」が一般大衆の中で生じるだろうと思う。しかし少なくともいまは、このコンテンポラリーな映画が彼女の魅力を全力で支えており、それを積極的に享受するのが正しい映画鑑賞である。

 なお、後世の人が勘違いするといけないのでここに書いておくが、これは60〜70年代レトロのキッチュ指向で、決してこれが「そのままの形」でかっこいいわけではない。ただ、たとえば『オースティン・パワーズ』のような照れも言い訳が微塵もないことの根性の入り方が感動を与えるのであり、『ミッション・インポッシブル』のような下手な現代風のアダプテーションを試みていないところが潔さを感じさせるのである。

 実際、この映画の脚本の腹の括り方には凄いものがある。一番感動したのは、ビル・マーレーが幽閉されている場所をエンジェルたちが発見する経緯だった。最近では、『007/ワールド・イズ・ノット・イナフ』で、犠牲者はポケットから能動型のGPSデバイスを取り出してそれを使った。これは笑い話にしかならないが、それを逆手に取ったのが『スリー・キングス』で、閉じ込められた部屋に携帯電話があったというシチュエーションをギャグとして使っていた。しかしこの映画では、義歯に組み込みの無線装置というハイテク装置は使うにしても、場所の特定には鳥の泣き声という大昔からありそうな手がかりを、ギャグとしてではなく大真面目に使っている。実際、本作には小さなギャグはふんだんに詰め込まれているものの、ストーリーの根幹は非常にオーソドックスなアプローチで作られている。だから面白くないわけだが、ストーリーの小細工で笑いをとるよりも、60〜70年代のアクション映画を正統的な形で復活させることにこだわったのだと思われる。たしかにそれの方が長持ちしそうだ。

 アクションの映像は『マトリックス』と比べて格段に優れている。演出が洗練されたせいなのか、単に出演者たちが「脚を高く上げられる」というレベルで身体能力に優れていたせいなのか、編集が上手なせいなのかはよくわからない。アクションの途中でスローモーションを入れるというテクニックが、体の動きの不自然さを誤魔化す手段として非常に有効に機能していた。The Thin Manという役名の悪役を演じるクリスピン・グローヴァーは素晴らしく、特に最初にエンジェルたちと戦うシーケンスはこの分野の最先端を行っている。残念ながらクライマックス近くのアクションは全体的にあまり良くなく、狭い空間でのアクションのコレオグラフィーには改善の余地ありと思われた。

 その他、敵対する会社の社長役にティム・カリー(『ロッキー・ホラー・ショー』の人だ!!)。ラウル・ジュリアが生き返ったかと思って驚いた。誘拐されるソフトウェア会社社長にサム・ロックウェル。その部下の女性がケリー・リンチ。

2001/1/1

IMDBの該当ページへ

検索ページへ 目次へ 前へ 次へ