エドtv

Ed TV

Ron Haward / Matthew McConaughey,Woody Harrelson,Jenna Elfman,Martin Landau,Dennis Hopper,Ellen DeGeneres,Elizabeth Hurley,Rob Reiner / 1998

★★★★

これは面白い

 ロン・ハワード監督作品。普通の人の生活を24時間態勢で放送するリアリティTVのせいで、主人公のエドの生活がむちゃくちゃになっていくという人情喜劇。『トゥルーマン・ショー』を連想させる設定だが、驚いたことに、あちらよりもずっと出来が良い。『トゥルーマン・ショー』の項に書いたような問題がほとんどない、頭の良い脚本だった。

 ロン・ハワードは、基本的な指向は好ましいものの、映画作りは下手だという印象がある。ときどき『スプラッシュ』(1984)や『バックマン家の人々』(1989)などの名作を作るが、失敗したときには『アポロ13』(1995)とか『バックドラフト』(1991)のような救いがたいものになってしまう。しかし本作は大成功の部類に入る。その理由と思われる要因については、下の「DVDメモ」を参照。

 主人公のエドを演じるのはマシュー・マコノヒー。見事と言うしかない名演技。その兄を演じるウディ・ハレルソンは穏当。恋人を演じるジェナ・エルフマンが非常に良い。この人は昔のテリー・ガーをくしゃくしゃにしたような感じで、レニー・ゼルウェガーよりもまとまりがつかないが、化粧しだいではジェニファー・ティリーにも化けられそうな中途半端な顔をしており、正統派美人のエリザベス・ハーレイよりもブスでありながら、観客の支持を取り付けられるような魅力を持ち合わせているという難しい役柄を見事にこなした。マシュー・マコノヒーが彼女を選ぶということが十分に納得できる。義理の父親のマーティン・ランドーが非常に良く、実の父親のデニス・ホッパーは妥当。プロデューサーのエレン・デジュネレスはちょっと可哀想で、ケーブルTV会社のロブ・ライナーは超安定。

DVDメモ。日本版

削除シーン。NGショット。監督による音声解説トラック。メイキング。

 削除シーンとしては、いくつものシーンが収録されており、合計すると20分近くになる。リリース・バージョンで2時間を超えていることを考えると、元の構想ではかなり長い映画になっていたことになる。そしてこれらのシーンは、いずれも本編に入っていたら壊滅的な効果を与えたであろうような説明的なシーンなのである。このことから、私はロン・ハワードがなぜダメであり、しかしこの映画は成功作になったかということを理解できた気がする。要するに、この人は説明したがりなんであり、今回はたまたま時間の制約上、そういうシーンを削ったことがいい結果につながったのだ。たとえば、この映画を見ていて「あっ、うまいなあ」と思ったところに、マシュー・マコノヒーがエリザベス・ハーレイのアパートを訪ねるときのつなぎ方があったのだが、削除シーンにはその前のマコノヒーの心の動きを説明するシークエンスがいくつも入っている。他にも、ジェナ・エルフマンがマコノヒーのもとを去る決断をするところとか、エレン・デジュネレスが倫理上の問題で会社側と衝突する場面など、映画のテンポを崩す「言わずもがな」のシーンが山盛りだ。

2001/1/1

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