オーロラの彼方へ

Frequency

Gregory Hoblit / Dennis Quaid,Jim Caviezel,Elizabeth Mitchell / 2000

★★★

さすがにうまいんだが

 グレゴリー・ホブリット監督。『悪魔を憐れむ歌』に続く3作目はタイム・トラベルものだった。実際に人間が時間旅行をするわけではなく、ニューヨークの家で父と子が30年のときを隔てて無線で会話をする。

 タイム・トラベルものに論理的整合性を持たせることは不可能だというハンディキャップの下で、そこそこよく考えられた脚本。父親にデニス・クエイド、息子にジム・カヴィーゼル、母親にエリザベス・ミッチェル。どこか何かが足りないという感じがしなくもないのだが、サスペンスの要素がきっちりと演出されていて、見ている間はかなり楽しい。

 これもまた、70年代と80年代をなかったことにしようというアメリカ映画だ。そんな中で、good old times(1960年代末をそういう風に呼ぶのは変なことだが)のエネルギーに溢れた若き父親を演じるデニス・クエイドは実にかっこいいし、母親のエリザベス・ミッチェルは『アンドリューNDR114』のエンベス・デイヴィッツよりもずいぶんと自然に若い役と老いた役の2役を演じている。

 でも、やっぱり見終って映画館を出る時点で数々の疑問が脳裏に浮かんできて困った。タイム・トラベルで過去を変えたときに現在がどうなるか、というテーマをクライマックスのサスペンスとしているものとしては、『タイムコップ』がそこそこよくできていたように思うのだが(それ以外の点がひどいので、かえって印象に残ったのだとは思うが)、この映画のエンディングはまさにあれの裏返しという感じで弱い。まあ細かいところは措いといて、結局あの連続殺人犯は最終的に何人殺したんだろうかということが気にかかる。あんなちょっかいを出したせいで、犠牲者が10倍ぐらいに増えてしまったというようなことになっていなければいいのだが。まあ言うだけ野暮なことだが。

2001/1/9

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