スライディング・ドア

Sliding Doors

Peter Howitt / Gwyneth Paltrow,John Hannah,John Lynch,Jeanne Tripplehorn / 1997

★★★

ちょっと拍子抜けだが

 監督・脚本・出演のピーター・ハウイットは、これがデビュー作のようだ。主人公のグウィネス・パルトローの運命が、電車に乗れたかどうかで分岐する2つのパラレル・ワールドでどのように変わるかを描いたロマンティック・コメディ。

 少女マンガのような話が展開するのだが、その範囲でけっこう面白かった。その功績はひとえにジョン・ハナーとジョン・リンチという2人の男優にある。『マーサ・ミーツ・ボーイズ』でも感じたことだが、こういう軽い感じのコメディでティピカルな演技をするイギリス人の若い男性は、ときとして非常に好ましい。恋敵となるアメリカ人女性にジーン・トリプルホーン。

 パラレル・ワールドを並行して描くという発想は斬新だが、あまりうまく実現されていない。シーンやカットのつなぎ方があまりうまく考えられていなかっただけでなく、脚本上も、いったん世界が分岐した後にいろいろとおかしな交錯が生じるのかなと思ったら、2つの世界がそれぞれの範囲で一直線に進むという感じでひねりがなかった。

 しかしこれは結局のところ、グウィネス・パルトローに次から次へと試練を与えていじめる映画なんであって、そう割り切って見れば、たしかに彼女はそういう悲劇の運命に遭うお姫様のようで悪くなかった。私はこの人があまり好きではないのだが、いままで見た作品のなかでは最も好ましい部類に入る。背中の曲がり方も、いかにも不幸に遭いそうで良い。

2001/1/17

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