ジェーンに夢中!

Pictures of Baby Jane Doe

Paul Peditto / Calista Flockhart,Christopher Peditto / 1996

★★★

普通のインディー映画だが

 『アリーmyラブ』のカリスタ・フロックハートの、このTVシリーズに出演する前の1996年の主演映画。低予算インディー映画で、監督・脚本のポール・ペディットはこれが第一作。

 クリストファー・ペディット(姓が同じなので、監督の兄弟か?)演じる若い作家のもとに、カリスタ・フロックハート演じる陽気で奇矯な振る舞いをする女性が転がり込んでくる。1970年代青春映画的プロットのありがちなストーリーで、予算のなさが室内照明から如実にわかるチープな雰囲気の映画だが、その範囲でそこそこクレバーな脚本とセリフがある。ただし映像の作り方は学生映画レベル。

 『アリーmyラブ』が人気を博さなければ、日本でビデオとして発売されることは絶対になかったであろうマイナー作品。偶然に見てしまったとしても、敢えてとやかく言うような映画ではなかったかもしれない。それでも、この映画のカリスタ・フロックハートには強い印象を受けていただろうと思う。本作の主人公ジェーンは、『アリーmyラブ』のアリーとはまったく違う境遇ではあるけれども、カリスタ・フロックハートの演じ方と、その結果作られている人物像には驚くほどの共通点がある。そして、このような人物像は本作のような境遇にあるものとして描かれるのが「普通」なのであり、『アリーmyラブ』のような設定が異常なのである、ということを改めて思い出させてくれた。

 そして、反動的に聞こえることを敢えて承知で言うが、このジェーンという人物像はアリーよりも魅力的に感じられた。『アリーmyラブ』におけるアリーという人物像は、このシリーズを成立させるための人工的なキャラクターであるという感じがして、非常に平板に見えるのだが、本作のジェーンには(映画全体のトーンとは不釣り合いな)強烈なリアリティがある。カリスタ・フロックハートがTVドラマのコメディエンヌとして凄い能力を持っていることは疑えないけれども、本作を見て、私は、彼女はシアターでの経験を積んだ才能のある女優なんだということをはっきりと認識することができた。

2001/1/23

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