追撃者

Get Carter

Stephen Kay / Sylvester Stallone,Miranda Richardson,Rachael Leigh Cook,Michael Caine,Mickey Rourke,Gretchen Mol / 2000

★★★

中途半端で地味だが、不思議な魅力がある

 監督のスティーヴン・ケイには『死にたいほどの夜』"The Last Time I Committed Suicide"(1997)という作品があるようだ。また、『モッド・スクワッド』の脚本も書いている。

 本作はシルヴェスター・スタローン主演のハードボイルド映画。長らく故郷を離れていた男が、弟の死をきっかけに故郷に帰り、その死の原因を探るという話。90年代っぽい映像処理があるものの、映画全体の雰囲気は70年代っぽく、地味でありながらもひとつひとつの要素はきっちり作られているという中途半端な映画だった。これを、インパクトのないつまらない映画と思う人がいてもまったく不思議ではないけれども、個人的にはそこそこ気に入った。ただし不満は山ほどある。

 だいたいこの映画を見終ってしばらくすると、これがミランダ・リチャードソン、マイケル・ケイン、ミッキー・ロークなどの(個人的な基準では)曲者大物俳優が出ていた映画だということを忘れてしまうほど、これらの俳優を有効に使っていない。逆に言えばそれだけ余裕がある贅沢な映画ということになるのかもしれないけれども。

 その他、姪にレイチェル・リー・クック、コンピュータ会社社長にアラン・カミング、刺客にジョン・C・マッギンレー(この人は大好き)、そして恋人役にグレッチェン・モル(この人はこういう役しかもう貰えないのだろうか)。いずれも単独で取り出せば悪くないのだが、映画の流れにインテグレートされていない。

 冒頭の葬式のシーン、カーチェイス、ゴルフ場のシーンなどを初めとして、個々のシーンの作りはそこそこしっかりしている。それなのになんでこんなに中途半端なものになってしまったのか、実に不思議だ。映画の軸となるシルヴェスター・スタローン演じる主人公に的確な性格付けがなされていないから、なのかもしれない。スタローンは、個々のシーンで、一緒に画面に出てくる役者/役柄に対して反応するだけ、という感じがする。だから、個々のシーンがばらばらになり、それをつなぐ論理や心情の糸が見えてこないのだ。とはいえ、「あちこち動き回って反応する」というモチーフは正統派ハードボイルドの典型ではある。もちろんそれならば、屋上でのレイチェル・リー・クックを相手にした心情の発露はやっちゃいけなかったんだが。

2001/1/23

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