FAIL SAFE 未知への飛行

Fail Safe

Stephen Frears / Richard Dreyfuss,Noah Wyle,Brian Dennehy,Sam Elliott,James Cromwell,Hank Azaria,Don Cheadle,George Clooney,Harvey Keitel / 2000

★★★

驚くべきことに面白かった

 スティーヴン・フリアーズ監督のTVムービー。1964年のシドニー・ルメットの傑作、『未知への飛行』"Fail-Safe"のリメイクということになる。米ソのMAD戦略下で、偶発的に全面核戦争が起こる可能性を検討したユージン・バーディックの小説の映画化。ただし今回のTVバージョンは白黒のライブ放送。エグゼクティブ・プロデューサーも務めているジョージ・クルーニーは、今後も長時間ドラマのライブ放送の企画を進めていく予定らしい。

 何はともあれ、これがCBSでライブで放送されたという事実は重要だ。レトロ趣味の趣向と呼んでおしまいにすることもできるが、過剰なまでに進化してしまったポストプロダクションを一度リセットすることで、もう一度「TVドラマ」の原点に戻るという試みと見ることもできる。この作品に関する限り、これが「芸能人隠し芸大会」の演目に似たものになってしまっていることは否定できないのだが、その範囲内でかなり面白い。

 オリジナルの『未知への飛行』と比べると、たぶん全般的にオーバーアクティング気味だと思う(「たぶん」というのは、細かいところまで覚えていないため)。しかしながら、ライブTV放送で、あの映画のようなシリアスな抑え気味の演出をするのは無理な気が強くするので、たとえば本作でヘンリー・フォンダに代わってアメリカ大統領を演じるリチャード・ドライファスの演技はTV的に見てちょうどいいのかもしれない。実際、このところいいところがないドライファスは、『未知との遭遇』や『ジョーズ』などの全盛期に戻ったかのような存在感を出している。その他、私が基本的にあまり好きでない、爆撃機編隊の隊長を演じるジョージ・クルーニーは、ヘルメットとマスクを装着し、目の周囲3センチぐらいしか露出していない状態で、見事な表情を見せる。やはりこの人はTV向きなのだろう。

 オリジナルを見ていない方は、あちらの方を先に見ることを勧める。その上で、こっちを現代のTVムービーの実験的試みとして見る。こっちを先に見てしまうと不幸かもしれない。

2001/1/30

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