クリムゾン・リバー

Rivieres Pourpres, Les

Mathieu Kassovitz / Jean Reno,Vincent Cassel,Nadia Fares,Dominique Sanda / 2000

★★★★

脈絡がないが面白い

 マチュー・カソヴィッツ監督作品。サイコスリラー/アクションもの。ジャン・レノ、ヴァンサン・カッセル、ナディア・ファレスが主演。ドミニク・サンダが出ているんだが、どの役だかわからなかった。

 最初から最後まで、どこか他のところで見たような設定をつなぎ合わせて作ったという感じの映画で、最後まで見てもミステリーの部分の謎がまったく理解できなかったのだが、個々の場面は非常によくできている。撮影のティエリー・アルボガストの貢献は大。

 ストーリーはフランス版の横溝正史。猟奇殺人事件を追うジャン・レノと、別の小さい事件を追うヴァンサン・カッセルが、手がかりを追う過程で合流する。ヒロインのナディア・ファレスはジャン・レノを助ける学者兼登山家。驚くべきことに、この3人の間の人間関係がほとんどといっていいほど描かれない。ジャン・レノが格下のヴァンサン・カッセルと衝突しながらも教えを授けるというような教師=生徒ものになるのかと思ったらそうはならないし、ジャン・レノとナディア・ファレスの間のロマンスもない。登場人物たちは、次のアクション・シーンに向けて場所を移動し、ときたましかめ面をしたり、顔に傷を作ったりなどする。あまりに内容がないため、後々の展開を予想することもできず、したがってストーリーのtwistは多くても「予想外の展開」があったという感じがぜんぜんしない。この内容の希薄さと映像の豊かさの対照はすごいものだ。

 かなりレベルの高い戦闘シーン、かなりレベルの高いカーチェース、インテリジェントに作られている追っかけっこ、『シャイニング』に匹敵するような空撮、ピーター・ハイアムズが好きそうな図書館のシーン、気分が悪くなるような死体の描写、実に怖い犬などなど、見応えのある場面はいくらでもある。で、ほんとうにあれで事件は解決したの?

2001/2/2

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