大列車作戦

Train,The

John Frankenheimer / Burt Lancaster,Paul Scofield,Jeanne Moreau / 1964

★★★★★

 ジョン・フランケンハイマーの初期の名作。すでに見たと思い込んでいたのだが、実は未見だった。ローズ・バラン原作。第二次世界大戦末期のフランスのレジスタンス運動。ポール・スコフィールド演じるドイツ人大佐がフランスの名画をドイツに持ち出そうとしているのを知って、バート・ランカスター演じるフランス人の鉄道運転手がそれを阻止しようとする。それに絡む宿屋の女主人がジャンヌ・モロー。

 白黒の焦点深度のおそろしく深い映像で、列車と線路の縦の長さを捉える印象的な映像が盛り沢山。爆発シーンは最近のハリウッドの大作に負けない迫力。航空機が列車を銃撃するシーンはぞくぞくするほどかっこいい。不要な説明を省いたスピーディーなストーリー展開。などなど、『レインディア・ゲーム』『RONIN』などの近作はやはり衰えの表れでしかないんだと再確認した。ただしフィルモグラフィーを見ると、フランケンハイマーも実は70年代で終わっていた可能性が高い。

 しかし何といってもバート・ランカスター。このときすでに51歳になっていたとは思えない身のこなし。アクションの発想そのものは地味だけれども、「走る」、「梯子から降りる」、「列車に飛び乗る」、「列車から落ちる」、「斜面を降りる」などの動きがいちいち美しい。大スターが危険なことをやっているということを自慢する撮り方になっていないところがいい。特に「銃に撃たれて転ぶ」ショットは、これまでに見たその手の映像の中でもトップクラスの凄さだった。拳銃の弾が当たったぐらいで数メートルも後ろにふっとぶ最近のアクション映画では決して経験できない映画的興奮である。そういう活劇的なアクションだけでなく、工場で作業をしているときの立ち振舞いとか、列車を脱線させるために線路のボルトを外すときの姿勢などに強烈な存在感があって、いまや絶滅してしまった「風格のあるスター」を存分に鑑賞することができた。

2001/2/23

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