シーズ・オール・ザット

She's All That

Robert Iscove / Freddie Prinz Jr,Rachael Leigh Cook,Kevin Pollak,Anna Paquin,Kieran Culkin,Clea DuVall,Elden Henson,Jodi Lyn O'Keefe . / 1999

★★

うまく行っていないが、記憶に残りそう

 監督のロバート・イスゴウはTVを中心としている人のようだ。本作にはたしかに若者TVドラマっぽい映像が多い。

 ハイスクールの「プロム・キング」になることが確定しているスポーツ学業ともに万能型の男、フレディ・プリンツJrが、「プロム・クイーン」候補のジョディ・リン・オキーフに振られ、友人たちとの間でアートおたくのダサいレイチェル・リー・クックを6週間でプロム・クイーンにしてみせるという賭けをするが、やがて本気で恋に落ちてしまうという話。

 このメインのプロットは完全に失敗している。脚本がうまく整理されておらず、フレディ・プリンツJrとレイチェル・リー・クックの双方が物語の各段階で何を考えているのかがよくわからないため、サスペンスが盛り上がらないということもあるが、やはり一番の問題は、レイチェル・リー・クックが「学園で一番ダサい少女」であるという設定に無理があることだろう。『若草物語』で、ジョーを演じるウィノナ・ライダーが「私はみんなみたいに美人じゃない、ブスだし」みたいなセリフを言うところがあって驚いたことがあったが、まあそういうことだ。それだけでなく、映画の中で、レイチェル・リー・クックが「美人」に変身するタイミングが早すぎるし、変身前と変身後の描き分けがあんまりうまく行っておらず、これだと変身前の方が良いと思う人もいそうだ(私個人はどっちもあまり、という感じだ)。

 そういう致命的な欠陥にもかかわらず、この映画はいくつか記憶に残りそうな場面を持っている。将来有望そうな若手役者が大勢出ていること、若者の風俗の描写が「とんがっている」というか、明らかに新しいことなど。決してハイスクールの「現状」を描いたものではないとしても、そうであって欲しいというような1つの像として、たとえば1960年代の『バイ・バイ・バーディ』、1970年代の『アメリカン・グラフィティ』、1980年代の『フットルース』のような地位を獲得するかもしれない、そういう映画である。クライマックスのプロムでのダンスのシーンは、かなり最先端を行っているように見えた(ミュージック・ビデオのダンスと比べれば最先端とは言いがたいと思うが、ハイスクールのプロムにおける踊りというコンテキストでは先進的)。

 アンナ・パキンがフレディ・プリンツJrの妹、キーラン・カルキンがレイチェル・リー・クックの弟、エルデン・ヘンソンがレイチェル・リー・クックの友人、クレア・デュヴァルが金持ちの意地悪女として出ている。この映画で一番強烈だったのは、bitchyな「プロム・クイーン」を演じているジョディ・リン・オキーフ。もうこれは「参りました!」と言うしかない。今後、要注目。

2001/4/21

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