チェイシング・エイミー

Chasing Amy

Kevin Smith / Ben Affleck,Joey Lauren Adams,Jason Lee / 1997

★★

鬱陶しい

 ケヴィン・スミス監督作品。

 ヘテロセクシャルの男性がホモセクシャルの女性に恋をし、いろいろと大変なことになるという話。主演にベン・アフレック、女性がジョーイ・ローレン・アダムスで、ベン・アフレックの相棒がジェイソン・リー。

 背景の交友関係をよく知らないのだが、私には『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』(1997)を見て体調がおかしくなるほどのダメージをくらったというトラウマがあって、それ以来、ガス・ヴァン・サント、マット・デイモン、ベン・アフレックの3人は鬼門となった。マット・デイモンについては『リプリー』で少し見直したものの(まあ気持ち悪いことにはかわりないが、気持ち悪い役を進んでやっているところには好感が持てる)、基本的にこの3人はアホだと信じている。でまあ、本作もあまり根拠もないまま、似たようなもんだろうと思って避けてきたのだが、ほんとに似たようなものだった。監督のケヴィン・スミス演じるSilent Bobが、タイトルの"Chasing Amy"の意味を説明するところなどは見ていて吐き気がした。

 そのように脚本というよりも構想のレベルで、偽善と偽悪の最悪のコンビネーションが実現されている映画ではあるのだけれども、同性愛者のアリッサを演じるジョーイ・ローレン・アダムスと、ベン・アフレックの相棒のバンキーを演じるジェイソン・リーは非常に良い。ジョーイ・ローレン・アダムスはバカげたセリフを泣き喚きながらこなすという苦行をなんとかこなし、ベン・アフレックに限らずどんな男でも(また女でも)惚れてもしかたがないような魅力的な女性を演じていた。ジェイソン・リーは最初から最後までかっこよいが、ハイライトはやはりジョーイ・ローレン・アダムスと飲み屋で交わすバカ話。

 どれほどの関連性があるかわからないが、最近見た『トゥリーズ・ラウンジ』を監督し、主演しているスティーヴ・ブシェミの知性を改めて感じた。彼ならばこんなバカな脚本を最初から書かないだろうけれども、演出のレベルでも、主役と脇役のバランスをうまくとるだろうと思う。この映画のジョーイ・ローレン・アダムスとジェイソン・リーはIQ 120ぐらい、ベン・アフレックはIQ 80ぐらいに見えるので、アダムスがアフレックを振らないこと、さらにいえばアダムスとリーがくっつかないことが不自然に見えてしまう。そうならないことから、この映画はIQの高い女が、IQの低い男の「男性性」に惹かれるというストーリーになってしまっている。男が、脳味噌の空っぽなブロンドに惹かれ、頭の良い赤毛の女を選ばない、というタイプの話と同じ枠組みである。これは映画の中の彼らがそのように見えるということであり、このような印象を与えるのが本意でないのだとしたら、それは配役と演出に(そしてもちろん脚本に)問題があるのだ。

2001/4/25

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