電話で抱きしめて

Hanging Up

Diane Keaton / Meg Ryan,Diane Keaton,Lisa Kudrow,Walter Matthau / 2000

★★

やはりダメ

 製作ノーラ・エフロン、原作・脚本デリア・エフロン、主演メグ・ライアンという超危険な組み合わせ。ダイアン・キートンが監督ということで少し期待をしたのだが、だめだった。ちなみに彼女にはこれまでに2つ監督作品があるが、日本では未公開のようだ。どちらも未見。

 姉に雑誌発行者のダイアン・キートン、妹にソープ・オペラ女優のリサ・クドローを持つメグ・ライアンが、老いて痴呆症状を呈してきた父親ウォルター・マッソーの面倒を1人でみていることにいろいろと不満を抱いている。ウォルター・マッソーは2000年7月1日に死去しており、これが遺作ということになるのだろう。最後まで嫌な奴を演じとおして死んだということがせめてもの慰めか。実際、この映画の彼の役の嫌さはそうとうのもので、普通の映画だったらあってもおかしくないような「和解」がまったくない。

 脚本のレベルですでに敗北しているような映画だが、自ら出演しているダイアン・キートンも含めた、このいくぶん歳をくった3人の女優がキャッキャッと遊んでいるところが「売り」になるというその発想がどうにもつらい。素直にビキニの水着姿を売りにする若者映画の健全さがいかに大切かということを痛感する。

 いろいろと自己言及的な仕掛けはある。典型的な「女性映画」でありながら、ダイアン・キートン演じる長女が発行している女性雑誌について皮肉な見方をしていること。リサ・クドローが演じている三女がソープ・オペラの女優であり、その仕事についても皮肉な見方をしていること。ウォルター・マッソーの役はかなり皮肉なものだし、メグ・ライアンがニクソン元大統領の記念館の仕事をしているというのも皮肉である。これらがすべてが、無理してウディ・アレンの真似をしている感じで痛々しい。原題の"Hanging Up"、すなわち「電話を切る」ことのメタファーも浅薄。

2001/5/2

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