わかれ路

Intersection

Mark Rydell / Richard Gere,Sharon Stone,Lolita Davidovich,Martin Landau / 1994

★★★

佳作

 マーク・ライデル監督作品。1970年のクロード・ソーテの『すぎ去りし日の…』"Les choses de la vie"のリメイク。ロミー・シュナイダーの役をシャロン・ストーン、ミシェル・ピッコリの役をリチャード・ギア、レア・マッセリの役をロリータ・ダヴィドヴィッチが演じている。ソーテにとっては、本格的なデビュー作といえる(1960年に『墓場なき野郎ども』というのが1本あるが)。

 映画のほとんどの部分が、交通事故に遭ったリチャード・ギアの回想であり、回想の中でのフラッシュ・バックがあったり、回想の時期が前後に飛んだり、さらには臨死状態での幻覚も挟まったりする凝った構成。リチャード・ギアが、別れた妻のシャロン・ストーンと、愛人のロリータ・ダヴィドヴィッチの間をふらふらするという話である。この映画、批評家の評価が恐ろしく低く、IMDBでも4.7という低い点になっているのだが、こうやって公開から7年経ったいま見てみると、それほど悪くはない。オリジナルの『すぎ去りし日の…』を見たのは遠い昔のことで、内容はほとんど忘れてしまっており、自動車事故のショットのみが印象に残っている。

 この映画のシャロン・ストーンは相対的にはいい方だと思う。リチャード・ギアはそこそこ。ロリータ・ダヴィドヴィッチは実にいい。ただ、凝った構成の脚本とヨーロッパ的な映像(ヴィルモス・ジグモンドだ)が示唆する「アート・フィルム」的な体質と、この3人の感触がまったくマッチしていないということは認めざるをえない。シャロン・ストーンは十分にゴージャスじゃないし、ロリータ・ダヴィドヴィッチはキャピキャピのアメリカ人女性で、リチャード・ギアにはミシェル・ピッコリのような深みがなくて、彼の抱えている悩みがバカバカしく見えてくる。そういう問題にもかかわらず、徐々に事情が明かされていく構成は興味をつなぎとめるし、個々のシーンを取り出せば、美しい場面はいくつかある。全般に、リチャード・ギアが1人で映っているところがダメなのに対し、どちらかの女性が絡むと急に面白くなるのである。そういえば、マーク・ライデルには『シンデレラ・リバティー』(1973)という佳作があったが、この映画のダヴィドヴィッチは何となくあの映画のマーシャ・メイソンに感じが似ている。

2001/5/16

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