忘れられない人
Untamed Heart
Tony Bill / Christian Slater,Marisa Tomei,Rosie Perez / 1993
★★★
オーソドックス
監督のトニー・ビルは役者出身で、『マイ・ボディガード』(1980)が監督第1作。最近はTVムービーが多いようだ。
孤児院出身で心臓に欠陥を抱えている無口なカフェの雑用係クリスチャン・スレイターと、同じカフェでウェイトレスをやっているマリサ・トメイの間の「純愛難病もの」。1993年公開だが、映像の質は1980年代に見え、ストーリーは1960年代に見える。ちなみに『マンハッタン花物語』と同じく、クリスチャン・スレイターがストーキングをすると恋が実る。こちらのストーキーングはちょっと度を越しているのだが(眠っている間に寝室に侵入!)、マリサ・トメイが明るく笑って許すので、「ああ、別にいいか」と思ってしまうというわけだ。
マリサ・トメイにとっては、『いとこのビニー』(1992)の後、『オンリー・ユー』の前にあたる。貧乏ながらも明るく生きる元気な可愛い女性を演じて隙がない。このクラシカルなストーリーを、そのチャーミングな笑顔によって背負っており、さすがに完璧に成功したというわけにはいかないけれども、個人的には楽しめた。どうせならもっと泣かせてくれても良かったんだけど、意外に淡白。一方、クリスチャン・スレーターは、なんでこんな映画に出たのかわからない。悪いわけではないが、交換可能だ。
2001/5/23