シティ・オブ・エンジェル

City of Angels

Brad Silberling / Nicholas Cage,Meg Ryan,Andre Braugher / 1998

メグ・ライアンだったら何でもいいという人だけが見ればよい。普通のラブ・ストーリーとして見ると腹が立つ

 ヴィム・ヴェンダースの『ベルリン・天使の詩』のリメイク、と表現したとたんに絶望にかられる映画。そういうことなので、単にメグ・ライアンとニコラス・ケージの恋愛ものとして理解するのがいいだろう。監督は『キャスパー』の人。そういえば『キャスパー』も人間の少女と幽霊の青年の間の恋愛ものだったけれども、あの映画がなんとか見られたのは少女役のクリスティーナ・リッチが素晴らしかったからで、メグ・ライアンにそのような存在感を求めるのは酷である。

 天使とか生とか死の題材を扱っているのに、この映画における死のあり方はどうにも一貫していない。死者を迎える天使である以上、患者を死なせてしまったことに悩んでいるメグ・ライアンに対して、ニコラス・ケージは「別にそんなに悩むことないよ。どうせ天国に行くんだから」みたいな言い方で元気づけることも可能なはずだ。そこらへんのあやふやさがうまく解消されないから、人間になったとたんにメグ・ライアンを失ってしまったニコラス・ケージの悲しみがよくわからない。天使としてのニコラス・ケージは、死は大したことではないとわかっているのにもかかわらず、人間になったときには悲しみが訪れた、ということから、人間という存在のユニークさや貴重さ(これには、人間は感情を持ち血を流すことができる、ということの喜び、も含まれる)を強調するということも可能だし、たぶんそういうことをこの映画でも主張したかったんだろうと思うが、そういう高度なことを言うにはやっぱりこの映画は全体として浅薄なのだ。

 天使の神秘的なたたずまいはミュージック・ビデオみたい(悪口)。

1999/10/15

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