サマー・オブ・サム

Summer of Sam

Spike Lee / John Leguizamo,Adrian Brody,Mira Sorvino / 1999

★★

これまた人工的な

 スパイク・リー監督作品。黒人を主人公に据えていない初の作品ということになるらしい。「サムの息子」(デヴィッド・バーコウィッツ)と「大停電」が襲った1977年のニューヨークを舞台に、イタリア系の青年たちの混乱を描くという趣旨の物語。

 スパイク・リーの映画は、初期の数本を見たあと手を出していなかった。でまあ、ミラ・ソルヴィーノが出ているということで仕方なく見たのだが、相変わらず鬱陶しい演出とカメラワーク。また、この映画の音楽の使い方には、ポール・トーマス・アンダーソンやスコット・ヒックスに共通するとんでもない勘違いを感じる。

 パンクの青年を演じるエイドリアン・ブロディは『人質』の犯人。

 脚本の発想は悪くない。「サムの息子」という社会的な現象と並行して語られる、個人の苦しみ。その社会的な現象のクライマックスとともに、個人の苦しみのクライマックスが訪れるという構成は、物語に大きなスケールを与えている。ただIMDBで怒っている人が少なくないことからもわかるように、この映画によって、スパイク・リーの映画作りが、いかに彼が黒人であるということに依っているかが露呈したように思う。

2001/5/30

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