マルコヴィッチの穴

Being John Malkovich

Spike Jonze / John Cusack,Cameron Diaz,Catherine Keener / 1999

★★★

なるほど

 スパイク・ジョーンズ監督作品。『スリー・キングス』で主役の3人を喰っていたのが印象に残る。15分間だけジョン・マルコヴィッチの頭の中に入れる穴を巡っての不条理コメディ。なお、この穴は映画の中では"portal"と呼ばれていた。

 奇抜な脚本はジャン=クロード・カリエールの真似かと思ったら(ブニュエルとか『マックス、モン・アムール』(1986)など)、急にハリウッド内輪ものになり、最後には中途半端な合理化が行われてしまった。思うに、「なんでこんなバカなことを!」と笑い転げるような視覚的ギャグのセンスが不足ぎみなため、全体的にギャグが観念的になってしまって、脚本の不徹底なところが目立ってしまうのだろう。

 主役のジョン・キューザックとキャメロン・ディアスは悪くない。もうちょっとキャメロン・ディアスにちゃんとした照明を当てて欲しかった。キャサリン・キーナーが三角関係の一角の女。また、このストーリーにジョン・マルコヴィッチという人物を起用したこと自体は素晴らしいアイデアだと思うが、期待が高まった分だけ演出のまずさが目立つ。とりたててマルコヴィッチのファンではない私でさえも、この映画は彼のポテンシャルを十分に引き出せていないという印象を受けた。

 なお、『スリー・キングス』のDVDを見てからこの映画を見ると、スパイク・ジョーンズは映画監督としてよりも俳優としての力量が勝っていると思う人もいるのではないかと思う。

2001/5/30

IMDBの該当ページへ

検索ページへ 目次へ 前へ 次へ