ハリウッド・ミューズ

Muse,The

Albert Brooks / Albert Brooks,Sharon Stone,Andie MacDowell,Jeff Bridges / 1999

★★★

安定して面白い

 アルバート・ブルックス監督・脚本・出演のコメディ映画。

 才能の枯渇に苦しんでいる脚本家アルバート・ブルックスが、ハリウッドの映画監督や脚本家にインスピレーションを与えてきたシャロン・ストーン演じる「ミューズ」に出会って、いろいろと災難に遭うという話。ブルックスの妻にアンディ・マクダウエル。ミューズを紹介する友人にジェフ・ブリッジズ。その他、ジェームズ・キャメロン、ロブ・ライナー、マーティン・スコセッシなどの有名人が多数カメオ出演する、ハリウッド内幕ものコメディである。

 西海岸のウディ・アレンと呼ばれるアルバート・ブルックスではあるが、個人的にはウディ・アレンよりもはるかに安心して見ていられる。ただこの映画に関していえば、役者としてのブルックス、シャロン・ストーン、そしてアンディ・マクダウエルの良さでかろうじて保っていると言えるだろう。特にシャロン・ストーンのわがままな振る舞いが非常にそれっぽくて楽しい。

 映画の中で「素晴らしい脚本」として描かれる、ジム・キャリー主演の水族館ものはとてもつまらなさそうだ。思うに、ここの部分がこの映画のアキレス腱である。とうぜんながらアルバート・ブルックスとしては、この『ハリウッド・ミューズ』という映画は、(架空の)ジム・キャリー主演の水族館ものよりも良い映画であると信じているのだが、映画の中ではそれが本当にいいものだと観客に納得させなくてはならないというダブル・バインドに陥っているわけである。シャロン・ストーン演じるミューズに本当に説得力を持たせるためには、有名人の感謝の言葉だけでなく、実際に少なくとも1つは真にインスピレーションに満ちたアイデアを提示しなくてはならない。しかし、そんなものがあったら『ハリウッド・ミューズ』よりも先にそっちを作る方がよい。

 よく行われる解決方法の1つは、ミューズに「冴えない脚本家がミューズに出会うというストーリーの映画」を提案させるというものだが、映画の構造上、今回は不可能だった。

2001/6/13

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