ディープ・ジョパディー

Ruby in Paradise

Victor Nunez / Ashley Judd,Todd Field / 1993

★★★★

掘り出し物のインディー青春映画

 監督・脚本のヴィクター・ヌナッツはインディー映画専門の人。撮影監督は別の人だが、本人がカメラを操作しているらしい。いまでは大スターになったアシュリー・ジャッドの初主演作ということになると思う。『ディープ・ジョパディー』というタイトルは、彼女が主演した『ダブル・ジョパディー』と何か関係があるのではないかと思わせるための悪徳商法。まったく違ったタイプの映画であるだけでなく、「ディープ」とも「ジョパディー」とも何の関係もない。有名になった主演女優の過去の作品を探し出してビデオ化するという商法では、邦題を付ける権利がビデオ配給会社に与えられてしまうが、これはまずいのではなかろうか。最近ではアンジェリーナ・ジョリーが脇役で出ている『第一目撃者』がそういう類のものだった。ところで本作のヴィクター・ヌナッツはこの『第一目撃者』の撮影を担当しているようだ。

 この映画は、アシュリー・ジャッド演じる若い女性が、テネシー州の家から(何かよくわからない理由で)逃げ出し、フロリダ州の観光地に住んでいろいろな経験をするという話。ただし、その経験といっても派手なものではなく、若い独身女性が「男性と付き合うこと」、「働くこと」、「家を借りて住むこと」といった日常的な問題にごく普通に対処するだけである。インディーズにありがちな妙に凝った趣向もなく、物語は淡々と進んであっさりと終わる。

 『L.A.救命士』で強烈な印象を残したトッド・フィールドが、アシュリー・ジャッドの恋人役として出演している。

 公開時、アシュリー・ジャッドは25歳だが、ティーン・エージャーのように若々しい。後に格が上がってからの映画とは違って、ときおり無防備な「ブス顔」をさらしていて、それがまた何といえず良い。いまのところ彼女が最も美しいのは『サイモン・バーチ』だと私は思っているのだが、こちらにも捨てがたい魅力がある。さらに言えば、『ノーマ・ジーンとマリリン』あたり以降の大役と比べると、この映画は映画女優として「作品に恵まれた」部類に属する。

 地味な作品ではあるけれども、とても良くできている秀作だった。キャリアの初めにこういうのに出てしまったのは、アシュリー・ジャッドの不幸かもしれない。

2001/6/13

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