M:I-2 ミッション:インポッシブル2

Mission: Impossible II

John Woo / Tom Cruise,Dougray Scott,Thandie Newton,Ving Rhames,Anthony Hopkins / 2000

とんでもない駄作

 ジョン・ウー監督作品。『ミッション:インポッシブル』(1996)の続篇ということになる。そうとうひどいものを予想していたが、ここまでひどいとはちょっとショックだった。

 ジョン・ウー(『ブラックジャック』など)は仕方がないとしても、魂を売り渡したのか才能が枯渇したのか不明な脚本のロバート・タウンの責任は非常に重い。この人は1980年代までは良質な映画に多く関わっていたのだが、1990年代に入って(具体的にはトム・クルーズと一緒に仕事をするようになってから)急激に仕事の質が落ちた。メイキングによると、この映画では「アクション・シーンを作った後にストーリーを作った」ということらしいが、それがまったく言い訳にならない無茶苦茶なストーリー展開で、人物設定もセリフもデータベースから自動生成したような陳腐さだ。

 悪役のダグレー・スコットは、トム・クルーズが建物に侵入してくる経路と時刻を言い当てながら、お宝のウイルスのバックアップもとらず、別の場所に動かしもしないでそのまんま置いておくという、おっそろしくバカな役を演じさせられている。こんなことでは、リキんだ演技が裏目に出るのは必至である。ヒロインのタンディ・ニュートンは優秀な泥棒という設定なのに、映画のなかでそれが活かされる場面が1つもない。この映画ではGPSも無線通信機も都合よく動作したり動作しなかったりするが、それらのガジェットとほぼ同列に扱われている。アンソニー・ホプキンスは出番が少ないことが幸いしてダメージが小さかった。前作に続いてヴィング・レームズが優秀なハッカーの役で出てくるが、コンソールに向かって叫んでも動かないプログラムは動かないよ。

 この映画の唯一の見所は、トム・クルーズのスタントだろう。しかし、ジョン・ウーの細かく刻むカットがそれを台無しにしているだけでなく、CGIの発達のせいで少々のショットでは驚けなくなってしまったという事情がこちらにはある。画面上で行われているアクションが危険であれば危険であるほど、「どうせCGIだろう」と思われてしまうというジレンマが生じている。どうせ本当に危険なスタントにチャレンジするのなら、さりげない演出を行うべきだ。高速で接近する2台のバイクから2人の男が飛びあがって激突するなんて場面を見せてしまったら、映画全体のアクションが偽物っぽく見えるのは避けられない。冒頭のクライミングにしたって、見たときの感想は「トム・クルーズすごい!」ではなくて「CGは進歩したなあ」、「『バーティカル・リミット』よりもシームレスだなあ」というものだった。彼が本当にあの場所でクライミングをしたと知ってかえって驚いたぐらいだ。砂浜での格闘にしても、トム・クルーズのドロップキックがワイヤ吊りでないと知って驚いた。もったいないことである。

2001/6/20

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