ピッチブラック

Pitch Black

David Twohy / Vin Diesel,Radha Mitchell / 2000

★★★★

面白い

 監督のデヴィッド・トゥーヒーは、『グランド・ツアー』(1991)というかなり質の高い映画がデビュー作だった人。その後『アライバル-侵略者-』(1996)という箸にも棒にもひっかからない映画を撮り、本作が3作目ということになる。その間に、かなりの大作の脚本をいくつか書いている。たとえば『GIジェーン』(1997)、『ウォーターワールド』(1995)、『ターミナル・ベロシティ』(1994)、『逃亡者』(1993)など。玉石混淆というべきだろう。

 とある惑星に不時着した宇宙船に乗っていた人々が、生き残りをかけてその惑星に住む怖い生物と戦うというSFもの。私はこういうタイプの話が大好きなのだが、どこでその好みが形成されたかと考えると、たぶん幼い頃に読んだエリック・フランク・ラッセルの短篇がきっかけだったのだと思う。

 本作は理想的とは言いがたいが、たとえば『レッド プラネット』と比べるとずっと出来がよい。ちょっと似たところのある『ディープ・ブルー』と比べると、脚本上の細かいところでの調整がうまく行っておらず、ここがA級とB級の差なんだなとは思うものの(そう、私は『ディープ・ブルー』をA級超大作と思っているのである)、随所に面白い趣向があって楽しめた。★3つかなと思ったけど、エンディングに向けての展開で★4つにアップグレード。

 太陽光の下での風景、暗闇の中でも見える手術を受けた男の主観描写、そしてモンスターの主観描写で映像の質を変えるという試みは、興味深いものの、いまひとつうまく機能していない。それをいったら、暗闇で見えるという設定も、モンスターがエコロケーションを使っているという設定も脚本上ではうまく使えていない。というふうに考えれば考えるほど不満は出てくるが、パイロットの女性を演じるラダ・ミッチェルの魅力で映画が保っている。逆に言えば、この人がいなかったらとんでもない駄作になっていたかもしれない。

2001/7/4

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