187

One Eight Seven

Kevin Reynolds / Samuel L. Jackson,John Heard,Kelly Rowan / 1997

★★★★

これは素直に感動するしかない教師もの

 『ウォーターワールド』のケヴィン・レイノルズの高校教師もの。どうやら『ウォーターワールド』の失敗のせいで低予算映画に回帰せざるをえなかったようだが、こっちの方が向いているような感じ。

 最初のうちは、フィルタとか露出の選択を間違えたんじゃないの、と突っ込みたくなるような映像が続いてうんざりするのだが、物語が進むにつれて、サミュエル・L・ジャクソンの名演もあって凝った映像が邪魔にならなくなる。映画がすべて終わった段階で、こういう凝った映像もしかたがないかなと思わせるだけの力は備えていた。

 『暴力教室』、『処刑教室』、『高校教師』など、教師と生徒の緊張関係を突き放した感じで描いた映画は少なくないが、この映画は現代アメリカの最も厳しい部類の現実を描写しているジャーナリスティックな作品といえる。つまり、ヒスパニックの低所得層である。ここに教師として黒人のサミュエル・L・ジャクソンを持ってくる(これはジャクソン本人の希望だったらしい)あたりがなかなか興味深い。実際、これは、主人公が黒人であるということに特別な意味が持たされていないという点で、非常に珍しい映画である。

 というような感じで牧歌的に感心していたら、IMDBに、テキサス州在住のユーザーがとても怖いコメントを寄せていた(1999年3月18日付)。追い詰められたときの暴力を肯定する映画として見ているのである(ついでに『フォーリング・ダウン』にも言及しているが、あの映画のマイケル・ダグラスをそのように肯定的に見るというのも怖い)。

1999/10/21

IMDBの該当ページへ

検索ページへ 目次へ 前へ 次へ