ふたりの男とひとりの女

Me, Myself & Irene

Bobby Farrelly,Peter Farrelly / Jim Carrey,Renee Zellweger,Chris Cooper / 2000

★★★

失敗作だが、意外に見られる

 ファレリー兄弟の新作。『メリーに首ったけ』の次の作品ということになる。ピーター・ファレリーにとっては、デビュー作の『ジム・キャリーはMr.ダマー』以来のジム・キャリー主演映画である。

 ロードアイランド州警察の多重人格のジム・キャリーが、レニー・ゼルウェガーとともに陰謀に巻き込まれる。本作は、ポスト・プロダクションの段階でうまくまとめることができなくなって、仕方なく乱暴にフィルムをつなぎ合わせて、ナレーションを入れてごまかしたという気配が濃厚の失敗作。ゼルウェガーがEPAの捜査員に事件の説明をする場面などは、明らかに後から慌てて作っている。ただし、『メリーに首ったけ』を経由したせいか、『ジム・キャリーはMr.ダマー』に比べると個別のギャグのセンスは良くなっている(これに「良い」という形容句を使うべきかはまた別の問題だが)。レニー・ゼルウェガーは安定しているし、ジム・キャリーは標準以上。2つの人格を演じ分けるところ、そして終わりの方で両方の人格がいっぺんに出てくるところのフィジカル・コメディはけっこう上手だ(ただし、それで笑えるというわけではないが)。ジム・キャリーのスラップスティックな演技としては、『マスク』(1994)以来の見るに耐えるものになっているのではないかと思う。

 ファレリー兄弟の側から見れば、彼らのテイストをジム・キャリーと組み合わせると、くどくなりすぎるということだろう。この映画のレニー・ゼルウェガーにはそれほどコミカルな役割は割り当てられていないけれども、たとえば一夜を過ごした相手がハンクだったことに気づいた後の、張型が使われた対象はゼルウェガーではなくキャリーで、使ったのもゼルウェガーではなくキャリーであったという笑えるギャグを成立させているのは、ジム・キャリーのリアクションではなく、レニー・ゼルウェガーの告白である。ファレリー兄弟がここのところに気づいているのかどうかは微妙なところで、次回作が楽しみではある。

2001/7/4

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