PLANET OF THE APES/猿の惑星

Planet of the Apes

Tim Burton / Mark Wahlberg,Tim Roth,Helena Bonham Carter,Michael Clarke Duncan,Estella Warren,Paul Giamatti,Kris Kristofferson,Charlton Heston / 2001

★★★★

楽しい軽快な作品

 ティム・バートン監督作品。1968年の『猿の惑星』("Planet of the Apes")から始まる『続・猿の惑星』("Beneath the Planet of the Apes")(1970)、『新・猿の惑星』("Escape from the Planet of the Apes")(1971)、『猿の惑星・征服』("Conquest of the Planet of the Apes"(1972)、『最後の猿の惑星』("Battle for the Planet of the Apes")(1973)の5部作は、個々の映画の出来はともかく、全体として予想を裏切る展開を見せる印象深いシリーズだった。このシリーズの、「リメイク」ではない「リイマジネーション」とのこと。

 これはティム・バートンの作品としては、『マーズ・アタック!』や『ビートルジュース』や『ピーウィーの大冒険』や『フランケンウィニー』などのパロディ/コメディ路線の映画だった。リック・ベイカーによる特殊メークアップが本格的であるため、コメディであることがわかりにくくなっているが。

 ティム・バートンが『スリーピー・ホロウ』や『バットマン・リターンズ』のような本格派ホラーとして『猿の惑星』を作ったら、夏休み用お子様向け映画にはならない。出てくるサルがみんなティム・ロス演じるセイドのようなキャラクターで、サルの人間の戦いで『スリーピー・ホロウ』のように首がぶったぎられたら、大人でも怖くて泣いちゃうんじゃないかと思う。そういうわけで、本作が気楽に楽しめる娯楽作品になっていることは、そう悪いことではないだろう。実際、この映画の暴力シーンは驚くほど穏当で、最後の戦いでのサルの歩兵たちはロケット噴射をくらっても死なない。「ダーク」な印象はまったくなく、室内シーンの照明はパペット・ムービーのようだった。

 猿が支配する惑星に不時着するマーク・ウォールバーグは、人間の女性にもチンプのメスからも恋心を寄せられるサル顔の男優として好キャスティング。脈絡のない行動と覇気のなさがよく合っていて、いままで見た出演作品の中では一番のはまり役。人権活動家のチンパンジーを演じるヘレナ・ボナム=カーターは、悪いチンプを演じるティム・ロスとともに、霊長類の体の動きを真剣に研究した感じがして笑える。それにしてもこの人は、このところ『ヴァージン・フライト』といい『ファイト・クラブ』といい、リキを入れれば入れるほど安っぽくなる役を好んで選んでいるように思える。

2001/9/1

 『《猿の惑星》 隠された真実』はオリジナルの『猿の惑星』シリーズに人種問題を読み取る映画評論である。この項では本作のリメイクとしての位置づけについても論じているので参照されたい。

2001/10/14

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