楽園をください

Ride with the Devil

Ang Lee / Tobey Maguire,Skeet Ulrich,Jewel,Jeffrey Wright / 1999

★★★★★

美しい

 アン・リー監督作品。『アイス・ストーム』の後、『グリーン・デスティニー』の前ということになる。南北戦争で南軍側のゲリラ(ブッシュワッカー)として戦う青年たちを描く。撮影監督はフレデリック・エルムス。

 完璧といって良い作りの映画。その完璧さが少々気に触る。特に、人物の顔に落ちる木の葉の影などの凝ったショットが、かえって邪魔に感じられる。いい感じに力が抜けていて美しい、というのは天才の領域なのだろう。しかしアン・リーは、映画作りの秀才というレベルではほんとに完璧に近いと思った。

 主人公のトビー・マガイヤとその友人のスキート・ウールリッチ、解放奴隷のジェフリー・ライト、悪い奴のジョナサン・リス=メイヤーズがいずれも非常にかっこよい。ヒロインのジュエルにまったくいいところがないのだが、これは耽美派同性愛映画としての意図的な人選と演出だったのだろうか。なおこの人はシンガーで、デビュー・アルバムをジャケ買いして失敗したという経験があって、あまり良い印象を抱いていない、というのは私個人の勝手な都合である。

 ジェフリー・ライトは『シャフト』ではヒスパニックのギャングの首領を演じている。要注目。本作では抑えた演技を基調として、友人が殺される場面でのみ激しい感情を見せる。こういうアン・リーの計算がわざとらしくて気に触るのだけれども、結果としてうまく作ってあるので文句も言えない。

 美しい映画だった。なお、この邦題は最悪の部類に属する。「楽園」って何のことだろう。

2001/9/9

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