アート・オブ・ウォー

Art of War,The

Christian Duguay / Wesley Snipes,Donald Sutherland,Anne Archer,Michael Biehn,Michael Biehn,Cary-Hiroyuki Tagawa,Liliana Komorowska / 2000

★★

鈍いアクション

 クリスチャン・デュゲイ監督作品。『アサインメント』はアクション・シーンが優れている映画だったので期待していたのだが、本作は鈍い。特にカンフー的な動きが売りのウェズリー・スナイプスが、ぶつ切りの編集のせいでがっかりするほど良くなく、脚本も出来が悪いので、いいところがほとんどない。

 ウェズリー・スナイプスが国連に属する秘密工作員を演じる。国連事務総長をドナルド・サザーランドが演じていて、あまりにも似合わないので笑える。陰謀に荷担していないドナルド・サザーランドってのは、設定として無理がある。裏工作を担当しているお偉いさんをアン・アーチャーが演じており、この人がこういう形で現役で働いているのを見るのはファンとして嬉しいのだが(このところ「誰かの妻」という役柄が多すぎる)、ちょっと類型的に過ぎて魅力に乏しい。悪い工作員を演じるマイケル・ビーンは、最近では良い方。なんだかんだ言って風格がついてきている。

 ところで本作は中国人マフィアを巡る物語だが、在米中国大使はジェームズ・ホンが演じているのに、それよりも重要な役の悪人をケイリー=ヒロユキ・タガワが演じている(そういえば後者は『猿の惑星』にも出ていたはずだが、見分けがつかなかった)。そしてヒロインと呼ぶべき中国人通訳の役を、日系アメリカ人と思われるMarie Machikoという女優が演じている(『NYPD15分署』でも中国人役)。アメリカ映画に出てくる東洋系の女優としては珍しい、70年代の日本の青春映画に出てきそうなタイプの女性で、今後どういう映画でどういう役を演じるのか楽しみだ。

 こうやって考えると、むちゃくちゃ面白い映画になりうる要素は十分にあるんだがなあ。クリスチャン・デュゲイの作品によく出ているリリアナ・コモロウスカは、端役ながらも、凄い殺され方をして印象に残った。映画の中で女性が殺されるシーンとしては滅多に見ない類のもの。背の低いファムケ・ヤンセン、のように見えるときがある。この人は『愛と動乱のワルシャワ』がデビュー作のようだ。

2001/9/9

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