ニューヨークの亡霊

Curtain Call

Peter Yates / James Spader,Polly Walker, Michael Caine,Maggie Smith,Sam Shepard,Buck Henry,Marcia Gay Harden / 1999

★★

うーむダメだ

 ピーター・イエーツ監督作品。まだ映画作っているのかと驚いたが、1988年以降に監督した5作品がいずれも日本では劇場未公開となっているようだ。最後の公開作品が、シェールが主演した『容疑者』(1987)なのもちょっと哀しい。フィルモグラフィーを見ていると、この人は結局は1971年の『ホット・ロック』で終わっていたのかもしれないと思った。ジャクリーン・ビセットのファンである私は、『ザ・ディープ』(1977)も断固として支持するが。

 出版社の3代目のお坊ちゃんであるジェームズ・スペイダーが、ニューヨークの豪華なアパートメントに引っ越したら、そこに往年の舞台俳優の夫婦であるマイケル・ケインとマギー・スミスの夫婦の幽霊が住んでいて、ポリー・ウォーカーとのロマンスの手助けをするというロマンティック・コメディ。それぞれの当て馬にサム・シェパードとマーシャ・ゲイ・ハーデン。バック・ヘンリーも出てくる。

 まあ面白くないです。幽霊ものが好きな私も(『愛が微笑む時』の項を参照)、さすがにこれは楽しめなかった。ただ、上に記した俳優のリストからも察することができるはずの、この映画全体の位置づけが何となく気になって、いろいろと考えさせられた。主人公のカップルがジェームズ・スペイダーとポリー・ウォーカーで、それぞれがサム・シェパードとマーシャ・ゲイ・ハーデンになびきかけるのがロマンスの危機なわけです。この中途半端さはそうとうなもの。ジェームズ・スペイダーはサイコパスとロマンティック・コメディの主人公の両方を演じることができる幅の広い役者であり、本作ではケーリー・グラント風の軽薄なプレイボーイを演じている。『ハート・オブ・ウーマン』のメル・ギブソンにはゴージャス感でかなわないものの、ヒュー・グラントあたりには完全に勝っている。でもなぜポリー・ウォーカーとマーシャ・ゲイ・ハーデンなのか。そしてサム・シェパードはそりゃかっこいいけど、はっきり言って老人でしょう。この顔ぶれは、ロマンティック・コメディの基盤となりえない。

 一方、マイケル・ケインとマギー・スミスの2人はさすがに芸達者で、ちょっとした身振りやセリフだけで映画を完全に支配してしまっている。両人とも幽霊なので、かなり時代錯誤的な衣装で出てくるし、クライマックスにはコスプレをするのだけれども、それにまったく違和感がない大物役者ぶり。

2001/9/22

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