エディ&マーティンの逃走人生

Life

Ted Demme / Eddie Murphy,Martin Lawrence / 1999

★★★★

驚いたことに面白かった

 監督のテッド・デミはジョナサン・デミの甥らしい。前に監督作品が2作あるが未見。本作はエディ・マーフィーとマーティン・ローレンスが共演するコメディ。

 率直に言って、いままでエディ・マーフィーまたはマーティン・ローレンスが主演しているコメディ映画で面白いものを見た記憶がない。この映画メモでは、前者の出演作品としては『ビッグ・ムービー』、後者の出演作品としては『ブルー・ストリーク』『ナッシング・トゥ・ルーズ』を取り上げており、いずれもぜんぜん面白くなかったけれども、過去に目を向けてみても、『48時間』のエディ・マーフィーは新鮮で良かったなというていどで、マーティン・ローレンスの新作はときどき見てみたりするけど、エディ・マーフィーについてはすでに見限って手を出さなくなってしまった。

 その2人が共演しているこの映画が、驚いたことに面白かったのである。傑作と言うことはできないが、うんざりすることなく見ていられるということだけでも快挙と呼ぶべきだろう。1920年代のニューヨークに住むこそ泥のエディ・マーフィーと真面目なマーティン・ローレンスが、南部に闇酒の調達をしにいったところで殺人の濡れ衣を着せられ、刑務所に入れられる。原題の"Life"は、もちろん「人生」という意味も込められているが、2人が課せられた「終身刑」の意味である。邦題の「逃走人生」のニュアンスとは異なり、2人はこの刑務所から出られない、刑務所内バディ・ムービー。

 このところエディ・マーフィーは「特殊メイク」づいているが、本作でもリック・ベイカーによる「老人メイク」を行っている。映画が始まる時点ではおそらく20代と思われるエディとマーティンの2人が、90代にまで老ける。そのメイクは非常によくできているが、やはりこの2人の老人演技が非常に優れているということだろう。老人のパロディにならず、本物の老人の心情が伝わってくるようなシーンがいくつかあって、2人が芸達者であることがよくわかった。

 テッド・デミの采配が上手だったのか、エディとマーティンが互いに牽制しあったのか、2人のいつもの映画に見られる暴走気味のコミカル・シーンが極力抑えられ、両者ともに「上質なペーソス」を出せている。時間配分の雑さと、その間の経過説明の不足など、決して満足できる仕上がりではないけれども、2人の好ましい面を見られたということで。テッド・デミには、次はロビン・ウィリアムズ主演の映画を作ってもらいたいと思ったことだった。

2001/9/22

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