ナッティ・プロフェッサー2/クランプ家の面々

Nutty Professor II: The Klumps

Peter Segal / Eddie Murphy,Janet Jackson,Larry Miller / 2000

★★★

うーむ凄い

 まったく面白くなかった『ナッティ・プロフェッサー』の続篇をわざわざ見るのは、われながらチャレンジ精神が旺盛だと思う。本作の監督ピーター・シーガルは、『裸の銃を持つ男PART33 1/3/最後の侮辱』(1994)がデビュー作の人。その後、いくつか日本未公開のものを作っているようだが未見。ちなみに『裸の銃を持つ男PART33 1/3/最後の侮辱』はあまり良くなかった。

 前作でエディー・マーフィーが一人で演じたクランプ一家が好評を博したおかげで(あれ以外に見るべきところがなかったというのが正しいと思うが)、この一家を中心とした続篇が作られたという流れ。「ナッティ・プロフェッサー」の「シャーマン」の中に「バディ・ラブ」という邪悪な人物がいるという二重人格の設定は続いているが、比重はクランプ一家に移されている。どっちにしろギャグが寒いのは同じなのだけれども、本作はエディ・マーフィーの各キャラクターの演じ分けを見るということだけに専念すれば、かなり凄いものである。映画としての質は比べ物にならないものの、『ベイブ』と『ベイブ/都会へ行く』の関係に似ていると言えるかもしれない。

 リック・ベイカーによる特殊メイクはもちろん凄いのだが、そのメイクをつけていくつもの人物を演じ分けるエディ・マーフィーの芸は、いままで見たことがないような新しいアートの領域に達しているように思う。主人公のシャーマンとその祖母、父、母、兄の5人は、本当にそれぞれ別の人間として存在しているように見える。事前の知識がまったくない人に見せて実験してみたい。特にこの映画で凄かったのは、父親のクリータス・クランプが若返りの薬を飲んだときの「若い頃のパパ」が、シャーマンともその兄とも、また素のエディ・マーフィーともぜんぜん違った人物になっていたところ。こんなに凄い才能なのに、ギャグが面白くなく、脚本もバカバカしい詰まらない映画に仕上がっているのがもったいない。

 なお、本作でのロマンスの相手役はジャネット・ジャクソン。ストーリー映画への出演は1993年の『ポエティック・ジャスティス/愛するということ』以来の2回目ということになると思われるが、けっこう堅実な演技で、前作のジェイダ・ピンケットよりもマシかもしれない。それにしても何故、という疑問は残るが。

2001/10/17

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