ギリーは首ったけ

Say It Isn't So

James B. Rogers / Chris Klein,Heather Graham,Orlando Jones,Sally Field,Richard Jenkins / 2001

★★★

面白いんだけど

 監督のジェームズ・B・ロジャーズは助監督で、本作の製作をしているファレリー兄弟の全作品に参加している。本作が第1回の監督作品で、この後に『アメリカン・パイ』の続篇"American Pie 2"を作っている(なお『アメリカン・パイ』の助監督もやっている)。

 ファレリー兄弟の『メリーに首ったけ』の柳の下の泥鰌を狙った邦題だが、この「ギリー」はクリス・クライン演じる主人公の男の名前。ヒロインをヘザー・グレアムが演じている。全体的に『メリーに首ったけ』と似た感触の、どことなく清潔感を感じさせるお下劣コメディで、ものすごく面白かったんだけど、さすがに直前に見た『ベティ・サイズモア』と同じ4つ★を与えるのはためらわれるので★3つ。

 『メリーに首ったけ』は、ベン・スティラーを主人公に持ってきたおかげで、良い意味でも悪い意味でもベン・スティラー臭がついており、それを相対化するのに大いに貢献していたのがマット・ディロンだった。本作の主人公は『アメリカン・パイ』のラクロス・プレイヤーを演じていたクリス・クライン("American Pie 2"にも出ているが、マクティアーナン監督の"Rollerball"のリメイクに主役として抜擢されており、楽しみにしている)。キアヌ・リーヴスの若い頃のような顔だちで、監督に思いっきりいじられており、その範囲内で非常に好感が持てた。『ふたりの男とひとりの女』『ジム・キャリーはMr.ダマー』のように、ファレリー兄弟流の下品ネタをジム・キャリーが演じると耐えがたいが、クリス・クラインのような透明感のある役者を持ってきたことは大正解だったと言えよう。エイブラハムズ&ザッカー兄弟の大傑作『トップ・シークレット』を思い出した。いまでは駄作に選択的に出る人(または出る映画をすべて駄作にする人)として知られているヴァル・キルマーは、このデビュー作において、本作のクリス・クラインと同じように監督によっていじられて、いい印象を与えていた。

 一方、相手役のヘザー・グレアムは残念ながらあまり見せ場がない。この映画メモで取り上げている出演作は、『マンハッタン恋愛事情』(1997)、『ブギーナイツ』(1997)、『ロスト・イン・スペース』(1998)、『ビッグムービー』(1999)、『オースティン・パワーズ・デラックス』(1999)だが(その他『スクリーム2』にもちょい役で出演)、実をいうとこれらの中で一番彼女が色っぽかったのは家族向けSF映画の『ロスト・イン・スペース』だった。『ブギーナイツ』にはフルヌードがあるし、『オースティン・パワーズ・デラックス』には驚くようなビキニ姿があるが、『ロスト・イン・スペース』の宇宙服姿にはかなわないでしょう。まあそれはともかく、本作のヘザー・グレアムはあんまり色っぽくないし、こういう映画のヒロインを演じるにはちょっととうが立ってきたような気がする(なんせ実年齢でケヴィン・クラインの10歳年上だ)。

 その他、本作にはサリー・フィールドが、ファンとしてはできれば見たくなかった姿をさらしている。フィルモグラフィーを見ると、私が最後に見た出演作は『フォレスト・ガンプ/一期一会』(1994)で、あのときに48歳だった彼女は、いまでは54歳になっているわけだが、整形手術を重ねてきたツケが回ってきたという感じ。もっとも、かなりの力演である。

 脚のないパイロットを演じるオーランド・ジョーンズは、『リストラ・マン』(1999)、『マグノリア』(1999)、『リプレイスメント』(2000)、『悪いことしましョ!』に出ており、特に『リストラ・マン』と『悪いことしましョ!』では芸達者なところが見られるが、本作では映画の1つの軸をしっかりと担っている。ファレリー兄弟の映画では、身体障害者の役を演じる役者が普通以上に得をするわけだけれども。

2001/11/10

IMDBの該当ページへ

検索ページへ 目次へ 前へ 次へ